出産後、多くのママが直面する生理不順。いつまで続くのか不安になりますよね。
本記事では産後の生理不順に悩むママたちに向け、その原因を解説し、具体的な対策を分かりやすく解説します。安心して産後の生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
産後の生理不順の一般的な原因
妊娠前はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌により一定の周期で生理がきていた方でも、妊娠することで生理は止まります。
出産が終わったらホルモンバランスがまた元に戻ってすぐに生理が再開すると思うかもしれませんが、なかなか再開しなかったり、不規則になったりすることもあります。
また不規則になるパターンにも、生理と生理の間が長く空いてしまう方もいれば、産後は生理が2週間おきにくるようになってしまったという方もいるなど個人差があります。
反対に産前は生理が不順だったのに、産後は生理不順が治ったということもあるようです。
・ホルモンの影響とプロラクチンの働き
母乳の分泌を促進するプロラクチンというホルモンがあります。
プロラクチンは排卵を抑制する作用があり、出産直後に妊娠しないように体がコントロールしているのです。
母乳育児を続けていると生理があっても排卵していなかったり、生理周期が乱れたりすることがあります。それはこのプロラクチンの影響なのです。
個人差もありますが、卒乳するとホルモンバランスが戻って生理が再開することが多いようです。
・育児ストレスとホルモンバランスの変動
育児ストレスによるホルモンバランスの乱れも産後の生理不順を引き起こす原因になります。
産後は体が回復していないにもかかわらず、1日中赤ちゃんのお世話をしなければなりません。夜泣きで睡眠時間があまり取れず十分に休息ができないことも多いでしょう。
そのような生活が続いてストレスがたまってしまうと、ホルモンバランスが乱れてしまうのです。
・栄養不足が引き起こす体の変化
産後は育児や家事で忙しくて時間がなく、1日3食をきちんと食べられなかったり、同じものばかり食べてしまったりしがちです。
そのせいで栄養不足になると体には十分な栄養が行き渡りません。卵巣まで栄養が届かず、産後の生理不順や無月経を引き起こしてしまうことがあります。
・妊娠の可能性
生理がこないのは、妊娠している可能性もあります。生理が再開するまでは妊娠しないというイメージがあるかもしれません。
しかし排卵は起こっている場合があるため、妊娠する可能性はゼロではないのです。
妊娠の初期症状として思い当たることがある場合は、生理予定日を過ぎた頃に妊娠検査薬で調べてみましょう。生理が不順だと予想外のときに妊娠することもあります。
排卵については基礎体温を継続して計測しグラフにすることで判断できますので、産後すぐの妊娠を望まない場合は基礎体温で排卵を確認し避妊しましょう。
反対に、またすぐに妊娠を望んでいる場合は母乳の回数を減らしたり、母乳をやめたりすると生理の再開が早まる可能性があります。
産後の生理の2回目や3回目が遅れるのは普通?
産後1回目の生理が来た後、2回目が遅れる、3回目が遅れるというのはよくあることです。産後2回目以降の生理が遅れる原因を詳しく見てみましょう。
・1回目は無排卵月経だった
無排卵月経とは、生理があるにも関わらず排卵が起こっていない状態のことをいいます。
赤ちゃんを母乳で育てている方は、プロラクチンというホルモンの作用で生理が再開するのが遅くなるのが一般的です。
また再開後も排卵がなかったり、周期が不規則だったりしますが、時間をかけて正常に戻っていきます。
・生理ではなく悪露(おろ)だった
産後すぐに出血することがあります。それは生理ではなく悪露(おろ)の可能性があります。
悪露とは子宮内に残っていた血液や傷からの出血、はがれた内膜などが混ざって体外に出てきたもの。初めは赤く、その後褐色、黄色、白色と変化します。
悪露は産後に1ヵ月くらい続く場合もあり、生理と間違えやすいようです。
・疲れやストレスがたまっている
疲れやストレスが原因でホルモンバランスが乱れ、生理再開後もまた生理が止まってしまうことがあります。
・栄養不足
産後太りが気になるなどで無理なダイエットをすると栄養不足になってしまうことがあります。
栄養不足はホルモンバランスの乱れにつながり、2回目、3回目の生理が遅れてしまうこともあるので注意しましょう。
・何らかの病気
生理が止まってしまうことには何らかの病気が隠れていることもあります。
子宮筋腫があったり、甲状腺機能低下症などを発症しホルモンが作られなくなったりしたことが原因で生理が止まることも考えられます。
産後の生理再開時期とその兆候
・平均的な生理再開時期とは?
個人差はありますが、一般的に母乳をあげていない方は産後2〜3ヵ月くらい、母乳をあげている方は産後5〜7ヵ月くらいで生理が再開することが多いようです。
・生理再開の兆候と誤解しやすい出血
生理再開の兆候には情緒不安定や、腰痛や腹痛、おりものの変化などが挙げられます。
産前の生理のときと同じような症状の方もいれば産前とは違った症状が出る方もいるようです。中には何の兆候もなく生理が始まる方もいるので、産後はいつ生理が再開してもいいようにナプキンなどを持ち歩くようにしましょう。
また産後すぐから1ヵ月くらいの間の出血を生理再開と誤解してしまうことがありますが、それは悪露の可能性があります。
悪露は産後、子宮内に残っていた血液や傷からの出血、はがれた内膜などが体外に出てきたものです。
産後の生理不順の時の受診目安
産後、生理が戻らず産婦人科を受診する場合、どのくらいの時期まで様子をみるべきなのか悩みますよね。産後の生理不順で受診する時期の目安は次のとおりです。
また産後の生理が再開しても産前より期間が長引く、鮮血が大量に出たなど、もし気になることがある場合は産婦人科で相談してみましょう。
・産後1年半〜2年経過しても生理が再開しない
産後はホルモンバランスの変化により生理周期が乱れる場合がほとんどです。
しかし産後の生理がこない状態が1年半〜2年続くようであれば、何かの病気が原因となっている可能性もあります。
子宮筋腫や甲状腺の病気などが考えられますが、まずは産婦人科を受診してみましょう。
・母乳育児終了後3ヵ月以上経っても生理が再開しない
母乳をあげている場合はプロラクチンの作用で排卵が抑制され、生理が再開しない方が多いようです。
母乳をあげるのをやめるとプロラクチンの作用が弱まり、1ヵ月ほどでホルモンバランスが妊娠前の状態に戻るといわれています。
母乳をあげるのをやめてから3ヵ月以上経っても生理が再開しない場合は、産婦人科で相談してみましょう。
産後の生理不順を改善するための工夫
・ストレス軽減でホルモンバランスを整える
前述のとおり、ストレスによるホルモンバランスの乱れが産後の生理不順を引き起こす原因の1つと考えられています。
そのため、できるだけストレスを軽減してホルモンバランスを整えるようにしましょう。
ストレス解消の方法は人それぞれです。
家族や友人に協力を頼み、長めに風呂に浸かる、カフェで過ごす、音楽を聞いてリラックスする、昼寝をするなどしてなるべくストレスをためないようにしたいですね。
また産後の生理不順について気にしすぎるのもストレスにつながってしまうかもしれません。
産後の生理が安定するまでは不安になるかもしれませんが、あまり考えすぎないようにしましょう。
・質の良い睡眠の確保するも重要
質の良い睡眠を十分にとることも重要です。
赤ちゃんが新生児の時は、夜なかなかまとまって眠ることができないものですが、昼間赤ちゃんが寝ている間に一緒にお昼寝をするなどして睡眠時間を確保しましょう。
また夜間授乳を1人で抱え込まずにパートナーにミルクを頼むなどして、ママの体も大切にしてくださいね。
・栄養バランスの整った食事で体をサポート
授乳期は母乳をあげることで栄養分がとられるため、通常の成人女性よりも多くのカロリーを摂取する必要があります。
とはいってもカロリーが高いだけではなくバランスのとれた献立を心がけましょう。
女性ホルモンであるエストロゲンは産後、分泌量が少なくなっています。カルシウムを蓄えておく働きがあるエストロゲンが減ってしまうと、骨粗しょう症のリスクが高くなります。そのためカルシウムや鉄分を多く含む食材を積極的にとるようにしましょう。
また大豆製品に含まれている大豆イソフラボンから生み出される成分がエストロゲンに代わる働きをするといわれています。大豆製品もぜひ食事に取り入れてみてくださいね。
産後は赤ちゃんのお世話で食事の時間をとるのも大変ですよね。
それでも母乳を通して赤ちゃんに栄養を与えていることや自分の体を回復させることを考え、きちんとした食事をして十分に栄養をとりましょう。
・母乳育児の回数を調整する
母乳の回数を減らすことも産後の生理不順を改善するための工夫の1つといえます。
前述のとおり、産後のママの体は母乳をあげることでプロラクチンというホルモンが分泌されて排卵が抑制されているからです。
急に母乳を減らすと赤ちゃんにもストレスになるので、ミルクを徐々に増やして母乳をあげるのを少しずつ減らしてみてましょう。
また離乳食を始められる月齢に達していれば離乳食を始めて母乳を減らしていくという方法もあります。
妊娠を希望するなら断乳して生理を再開させる?
産後、生理がこないが次の妊娠を希望している方は、まずは生理の再開を早めるために断乳しましょう。そして次の妊娠に向けてママは体と心のケアも必要です。
・まずは断乳して生理の再開を早める
母乳をあげている間は、プロラクチンというホルモンが分泌されて排卵が抑制されています。
断乳することでプロラクチンの作用が弱まってホルモンバランスが元に戻り、生理の再開が早くなる可能性があります。
・次の妊娠に向けてママの体と心のケアも
次の妊娠に向けて、ママの体と心のケアも必要です。
体のケアは、まず冷え予防と体重の適正化をしましょう。体が冷えていると卵巣機能に悪影響を及ぼします。
適度な運動をしたり、お風呂はシャワーだけですませずにしっかりと湯船につかったりして血行をよくすることを心がけたいですね。また、冷たい飲み物は控えましょう。
前回の出産の時に、体重が大きく変化した場合は適正に戻す努力が必要です。
産後10㎏以上体重が増えた場合は、卵巣にも脂肪がついて排卵が難しくなっていることが考えられるからです。
心のケアとしてはストレスをためないことです。ストレスは産後うつを引き起こすだけでなく女性ホルモンの分泌にも影響するので、次の妊娠に向けて重要な問題となります。
育児中にストレスを感じたら、赤ちゃんをパートナーなどに見てもらう時間を作ってストレスをためないようにしましょう。
日常生活の中で工夫してホルモンバランスを整える心がけを
産後の生理不順は女性ホルモンの影響、育児ストレス、栄養不足などが原因で起こります。乗り越えるためには何が原因で産後の生理不順が起こっているのかを理解し、日常生活の中で工夫してホルモンバランスを整えていくことが大切です。
また、目安の時期を過ぎても生理が再開しない場合は、産婦人科など専門家にアドバイスを求めることも検討しましょう。
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