子どもの成長は嬉しいけれど、共働き夫婦にとって、仕事と子育てを両立することの悩みはつきものです。今回は小学校に入学することで、利用を検討する方も多い学童保育について解説します。学童保育を利用するにあたって気になる疑問を解消していきましょう。
そもそも学童保育って?
学童保育は、子育て世代にとって心強い支援サービスの一つです。
小学校に通う子供たちが放課後や学校の休み中に、安全かつ安心できる環境で遊びながら学び、成長するための支援を提供する施設やプログラムのことです。通常、放課後や長期休暇中に利用することができます。学童クラブ、放課後クラブなど呼び方は地域や自治体によってさまざまです。
種類としては大きく分けて3種類あり、公立学童保育(放課後児童クラブ)、放課後こども教室、民間学童保育となります。
2014年政府の「日本再興戦略」において小一の壁の打破を掲げられたことをきっかけに、文部科学省と厚生労働省が協力して、取り組みが進められています。
保護者にとっても子育てと仕事を両立させるための頼れるサポートであり、安心感を得ることができます。
学童保育では具体的に何をするの?
学童保育は、保護者が仕事や他の用事を行う間、子供たちが安心して過ごせる場所を提供し、家庭で行えるありふれたことができる生活の場となっています。安全な環境で子供たちが時間を過ごし、成長する様子を見守ることができます。
宿題サポート
子どもたちが学校から持ち帰った宿題や学習課題に対して、指導やアドバイスを行います。難しい問題や理解が難しい部分について、サポートを提供し、子供たちが自信を持って取り組めるように支援します。
遊びとスポーツ
学童保育では、子どもたちが楽しみながら体を動かす機会が与えられます。遊びやスポーツを通じて、体力や運動能力の向上だけでなく、チームワークや協力の重要性も学びます。
文化・芸術活動
絵画、音楽、手工芸などの文化的な活動を通じて、子どもたちの創造性や表現力を育みます。自分の感情や思考を表現する手段を学び、自己成長につなげます。
社会性の育成
学童保育では、子どもたちが他の子供や大人との関わりの中で社会性を学びます。コミュニケーション能力やリーダーシップ、協力や助け合いの精神を育成し、社会での生活に必要なスキルを身につけます。
おやつの提供
市販品のおやつまたは施設によっては手作りのおやつが提供されます。
学童保育を利用するための条件って?
基本的に学童保育は小学校に通う全ての子どもが対象となっています。小学校1年生から6年生まで年齢は問わずに利用することができます。
自治体や学童保育の定員などによって、学年によっては利用するのが難しいことがあるため、事前に確認することが大切です。
定員を超える場合は、学年が低い児童がいることや、長時間勤務の家庭、近くに祖父母のいない家庭、シングル家庭などが優先されることもあるようです。
学童保育の種類によって、細かく押さえておきたい条件などを以下にまとめます。
<公立学童(放課後児童クラブ)>
対象:親が働いている小学生全学年
利用条件:親が働いていること(※就労日数や勤務時間などの条件があることが多い)
運営時間:下校から18時頃まで ※延長保育などを行っているところも多い
特徴:小学校または児童館の体育施設で自由に過ごす
地方自治体が設置し直接運営も行う公設公営の学童と、運営を民間に委託している公設民営の学童があります。
<放課後子ども教室>
対象:公立小学校に通う全ての子どもが対象※自治体によっては学区外の子どもを受け入れることもあり
利用条件:公立小学校に通う全ての子どもが対象
運営時間:下校時から16時または17時まで
特徴:学校内や児童館で自由に好きなことをして過ごす
おやつの提供はなし
文部科学省管轄で、全ての子どもを対象として各地方自治体が小学校の余裕教室等を活用して、地域の方のサポートを受けて子どもたちとの学習やスポーツなどの活動を行うことを支援するための取り組みです。
<民間学童>
対象:親の就労の有無や学年による制限などは設けていないところがほとんど
利用条件:特になし
運営時間:下校から20時頃まで
特徴:希望するプログラム・幅広い種類の習い事などの提供もある
お迎えが遅い子どもには夕食の提供もある
いずれの種類の学童も学童保育申し込み後、面接や審査を受ける場合があります。
学童保育を利用するためには、所轄の教育委員会や保育担当部署に申し込みや手続きが必要です。必要書類や手続き方法について、事前に確認しておくことが重要です。
学童保育の料金ってどのくらいかかる?
学童保育を利用するとどのくらいの料金がかかるのか、気になりますよね。自治体や学童の種類によって料金の違いがありますので、参考程度にはなりますが学童保育の種類ごとに料金をまとめてみました。
<公立学童>
おやつ代込みで4000円~1万円
<放課後子ども教室>
無料がほとんどですが、一部イベントの際に工作費などが数百円程度かかることも。
<民間学童>
入会金10000~30000万円
週5日利用の平均利用料金は月5万円~10万円
その他習い事などによって追加料金あり
学童クラブの種類によって、料金の違いは大きいですがそれぞれの学童での利用できる内容など、実際に長期利用する際に無理なく通えるかなど、料金だけではなく、ご家庭の状況に合わせて検討することが大切になってきます。
学童保育の現状と抱えている課題とは?
学童保育は、子育てと仕事を両立したい保護者にとってとても心強い支援ですが、一方で課題があることも事実です。
まずは、学童保育の現状について解説します。
- 需要の増加: 両親が共働きや単独で子育てをする家庭が増えており、学童保育への需要が増加しています。
- 施設の数不足: 需要の増加に対して、学童保育施設の数が不足している地域もあります。保護者が利用を希望しても、定員オーバーや待機リストが発生する場合があります。
- 質の向上への取り組み: 学童保育施設では、より充実したプログラムや安全な環境を提供するための取り組みが行われています。教育内容や保育士の資格・研修などが注目されています。
課題
- 施設の拡充: 学童保育施設の数や定員を増やし、すべての保護者が利用できる状況を整える必要があります。特に都市部や人口密度の高い地域での施設不足が深刻な課題です。
- 費用負担の軽減: 学童保育の費用が高額である場合、一部の家庭にとって負担が大きいことがあります。費用負担を軽減するための支援策や助成金の充実が求められています。
- 利用条件の柔軟化: 学童保育の利用条件が厳しい場合、保護者が利用しにくい状況が生じます。柔軟な利用条件や時間帯の拡充など、保護者のニーズに合った制度改革が必要です。
この他に
・学童保育の規模が大きく、子どもが行きたがらない
・学童保育で子どもが勉強しない
・保育園や幼稚園などの系列の学童の場合、既に子どものグループができていて入りずらい
・私立小学校・国立小学校の学童保育が行われていない
などの課題もあります。
これから学童保育を利用しようとしている保護者は、地域の学童保育の現状や課題を理解し、地域社会や自治体と協力して解決に向けて取り組むことができると、良いですね。
また、保護者自身もニーズや要望を自治体や、施設側の積極的に伝えることで、より良いサービスの提供に貢献することも大切です。
学童保育で働くためにはどうしたら良いか?必要な資格は?
子どもとの生活リズムが合わせやすく、家庭との両立がしやすいこともあり、子どもを学童保育に通わせるだけでなく、実は保護者の働き先としても学童保育は人気が高いです。ここでは、学童保育で働くことに興味を持った方に向けて、実際に学童保育で働く時に必要なことをまとめていきます。
学童保育で過ごす子どもたちのサポートをするとても大切な存在である、学童保育の先生ですが、学童指導員という名称があります。以前までは、学童保育で働く全ての先生を指していましたが、現在は専門資格である放課後児童支援員という資格が確立され、学童の先生の中でも専門性の高い学童指導員と、そうでない学童指導員との差別化がされるようになりました。
専門性の高い放課後児童支援員は、学童保育に2名以上在籍することが義務付けられている資格です。資格を取得するためには、受験資格に該当する必要がありますので詳しく確認することをお勧めします。
受験資格に該当している方は、地方公共団体が開催する研修を受講することで取得できます。
施設によっても異なりますが、正社員での雇用を希望する場合は、放課後児童支援員の資格を取得しているほうが望ましいと思われます。
あくまで、学童保育の補助員としての勤務や、アルバイトやパートなどの非正規雇用の場合は、資格がなくても働くことが可能です。
働き方に合わせて、資格の取得を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
子どもと一緒に遊びや学びを通して成長できる学童保育で、やりがいのある仕事をするのも良いですね。
まとめ
学童保育といっても、3つの種類があり、それぞれの施設に特色があるので、実際に過ごす子どもとの相性や家庭の状況に合っているかなど、気になった施設はまずは見学してみることがおすすめです。実際の施設や職員の雰囲気は、写真などだけではわかりにくいので、実際に足を運んでみることから始めてみて欲しいと思います。
子どもだけでなく、保護者にとってもストレスなく心地よく過ごせる学童保育で有意義な時間が過ごせると良いですね。
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