ねんねしたままだった赤ちゃんの足や手の動きが少しずつ活発になってくると、いつ寝返りするのかな?と気になってきますよね。赤ちゃんの成長の一歩となる寝返りの始まり時期や、なかなか寝返りしない場合に考えられる要因について解説します。
また、寝返りのサポート方法や寝返り時期に親が気を付けるべきポイントもご紹介します。
寝返りとは?判断の目安は?
寝返りとは、仰向けの体勢からからだをひねって、うつ伏せの状態になることです。赤ちゃんが自分の力だけで、仰向けからうつ伏せになれたら寝返りができたと判断できます。また、右と左どちらの方向からもできなくてはいけないということはありません。どちらか一方でだけでしか寝返りをしないという赤ちゃんも多くいます。
また、うつ伏せから仰向けになる動作のことを「寝返り返り」といいます。
寝返りはいつから始まる?
赤ちゃんの動きが活発になってくると、いつ寝返りをするのか気になりますよね。赤ちゃんが初めて寝返りをする瞬間は、何かしらの興味をもっている時の場合が多いです。
「気になる、もっと見たい、触りたい」という気持ちから自然とからだを動かすようになります。
赤ちゃんの寝返りは何カ月頃から始まるのか、また赤ちゃんが寝返りをしようとしている時に出すサインについて解説します。
寝返りは何ヶ月頃から始まるの?
赤ちゃんの運動機能は、頭から足方向へ下がりながら順番に発達していきます。
目、首、肩、腕が自分の意思で動かせるようになり、背中、腰まで達すると、寝返りができるようになります。
このように、寝返りを始める前には、新生児の段階で既にいくつかの動きをマスターしている状態です。
厚生労働省が発表している「一般調査による乳幼児の運動機能通過率」によると、生後4〜5ヶ月頃に約半数の赤ちゃんが寝返りをしていることが分かります。しかし、生後3ヶ月の早いタイミングで寝返りをする赤ちゃんもいれば、10ヶ月くらいで寝返りをする赤ちゃんもいます。[*1]
また、寝返りをせずにおすわりに移行する赤ちゃんも珍しくありません。
中にはハイハイもせずに先につかまり立ちをする赤ちゃんもいますが、これも正常な発達の範囲です。
心配な時は、かかりつけの小児科で相談し一人で抱え込まないようにしましょう。
赤ちゃんが寝返りをする兆候とは?
赤ちゃんの動きをみていると、成長に伴い寝返りのサインを出していることがあります。
手足を動かして、体をひねろうとしていたり、横向きになっていたり、下半身をひねってえび反りのような姿勢を取っていたりする様子や行動がみられ始めたら、寝返りの前兆かもしれません。
徐々にからだをうまく動かしてひねり方のコツをつかみ、上手に寝返りができるようになるでしょう。
赤ちゃんが寝返りしないときには?
寝返りに繋がる動きがなかなか見られないと、ママやパパは不安になることがありますよね。
しかし、寝返りの時期は個人差があります。寝返りの一般的な時期は目安程度に考えて、寝返りの時期が早くても遅くても心配することはありません。
赤ちゃんの寝返りには個人差がある
赤ちゃんは自分のペースで自然と寝返りができるようになります。
赤ちゃん自身の「寝返りをしたい」という気持ちを大切に、ママとパパは焦ることなく見守ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんの筋肉や発達が遅い場合に、寝返りが遅れることもある
身軽な赤ちゃんの方が活発に体を動かせる場合もあります。
そのため、体重が平均より重い赤ちゃんやたくさん服を着ているときには、寝返りが遅くなる可能性も。
大人が手を差し伸べすぎている
赤ちゃんがおもちゃを欲しそうにしている時、先回りしてすぐに手を貸し過ぎていませんか?自分で動かなければ、寝返りのきっかけは少なくなってしまいます。
おもちゃを取りたそうに感じられても、まずはこまめに手をかさないで自分で探すの見守ってあげると良いでしょう。
寝返りをサポートする方法
寝返りはちょっとしたきっかけやコツでできるようになります。無理に寝返りさせようとせずに遊びの一環として、寝返りのサポートをしてあげても良いでしょう。寝返りは赤ちゃんにとって楽しい動きです。一度寝返りのコツをつかむと、何度も挑戦しどんどん上手になっていきます。
ただし以下のサポートは無理強いをせず、嫌がる様子が見られたらやめましょう。また、必ず寝返りができるサポート方法ではありません。寝返りの開始時期は、あくまでも赤ちゃんの意志を尊重してあげることが大切です。
おしりに手を当てて優しく支える
寝返りをしたい赤ちゃんは腰をひねる動きを見せるため、おしりを浮かせることが増えてきます。
そこで赤ちゃんがからだをひねっている方向に向かって、おしりを優しく支えてサポートしてみてくださいね。
おもちゃで興味をひく
赤ちゃんの好きなおもちゃを近くに置いておいて、興味をひくことで、おもちゃの方向に向かって動きたい気持ちから寝返りができてしまうことも。
色の濃いカラフルなおもちゃや白黒のはっきりとしたおもちゃがおすすめです。
また、顔の向きと反対側から呼びかけることで、からだをひねって寝返りにつながる可能性があります。
うつ伏せに慣れておく
寝返りをスムーズに行うためには、うつ伏せに慣れておくことも重要です。
赤ちゃんが起きている時間帯にうつ伏せの練習をしておくと、その後のハイハイや歩行への移行もスムーズに進みます。
寝返り時期の注意点とは?
赤ちゃんの寝返りが始まると、赤ちゃんの活動範囲が広がることで、いくつかのリスクが生まれます。赤ちゃんが寝返りをし出す前にリスクとなる原因を知っておき、回避できるように対策して、赤ちゃんに安全な環境を整えておきましょう。
安全に寝返りできる環境を整える
日中は寝返りしやすい広めのスペースで過ごすようにしましょう。
ベビーベッドやバウンサーなどは赤ちゃんの活動スペースが限られるため、寝返りしにくくなります。
ただし夜間など家族が目を離す時間がある場合は、寝返りができないような環境をつくることも必要です。
寝返りを防ぐ対処法としては、ママやパパが添い寝をして寝返りを防いだり、寝返りを防止する為のベビー用品も市販されています。
しかし、大人用ベッドでは転落する危険や添い寝をしたまま寝込んでしまい保護者の身体の一部で赤ちゃんを圧迫してしまう事もあるため、できるだけベビーベッドに寝かせましょう。[*2]
また、寝返り防止用の枕・クッションを利用した場合でも、その寝返り防止用の枕・クッションが原因で赤ちゃんが寝返りしようと動いた事でクッションに頭をうずめてしまったケースも報告されているため、消費者庁でも注意を呼びかけています。[*3]
窒息に気を付けて見守ろう
寝返りができても、はじめはうつ伏せが上手ではないので、すぐに首が下がってしまうことがあります。そんな時に柔らかい寝具があると顔が埋まってしまい、鼻や口が塞がれて窒息する危険があるので、程よい固さの固めの寝具にしておきましょう。1歳になるまでは、寝かせる時はあお向けに寝かせ、掛け布団は軽いものを使用して顔に被らないようにしましょう。
寝返りするようになると、重い掛け布団だと払いのけられなかったり、寝返りがしづらくなります。布団は年齢に合ったものを利用するようにしましょう。
冷える場合には寝冷えの防止にスリーパーを着せるのも良いでしょう。
またリビングなどで過ごす時も、赤ちゃんの周りに柔らかいクッションなど、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かないように注意が必要です。
転落事故に注意しよう
赤ちゃんが移動したり活動範囲が広くなってきたりすると、ベッドやソファから赤ちゃんが転落する事故も起きやすくなります。危険な場所をあらかじめチェックしておきましょう。
ベビーベッドで寝かせる場合には、短時間だからと油断せずに、柵は常に上げておき、赤ちゃんが落ちないように注意しましょう。
また、ソファに寝かせる場合には、目を離さないようにしましょう。
日中は床にマットを敷いて過ごしたり、マットの上に寝かせてあげると良いでしょう。
周りのものに注意しよう
日中に床で過ごす際には、床を清潔に掃除して赤ちゃんが活動するための広いスペースを確保して、周囲に危険なものや小さいものがないかを確認しましょう。扇風機やストーブなど、赤ちゃんが触ったら危険なものには、赤ちゃんが触れられないようにしたり、念入りにガードしましょう。また、口に入れたり、飲み込んだりしたら危険なものは赤ちゃんの周りに置かないように環境を整えておくことが必要です。
誤飲の危険性が高いものとしては、
- 包装フィルム、シールなどを口に入れたり、かじったりして破片を誤飲して、窒息してしまうケース
- 薬の錠剤等の医薬品や洗剤、化粧品などにより重大な症状を引き起こしてしまうケース
- たばこやお酒の誤飲により、ひどい中毒症状が出るケース
- ボタン電池や芳香剤等の吸水ボール、磁石などの誤飲による重症事故
- 年上の子どものおもちゃでの小さな部品の誤飲
などが挙げられます。[*4]
赤ちゃんや幼い子どもはまず何でも口に入れてしまう習性があるので、舐めたり飲んだりしてしまうおそれがあるものは赤ちゃんの周りに置かない様に特に注意が必要です。
【まとめ】焦らず見守ろう!
赤ちゃんの成長の一歩といえる寝返り。いつするのかな?まだかな?と楽しみに待っているママとパパも多いことでしょう。そんな時、同じ月齢の他のお子さんが上手に寝返りをしている姿を見て、遅れていたりすると焦ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、寝返りをせずにお座りやハイハイに移行する子、仰向けで見える世界をゆっくり楽しんでいる子、成長のスピードも赤ちゃんの個性の一つです。
ママとパパが焦りすぎることなく、今しか見れない赤ちゃんの可愛らしい様子をゆったりとした気持ちで見守ってあげましょう。