一年中、スーパーなどで見かける食材「バナナ」。
柔らかく甘みがあるため赤ちゃんに好まれやすく、栄養も豊富なことから、離乳食に取り入れたいおすすめの食材です。
ここでは、離乳食インストラクターの資格を持ち、ママだけでなく、保育士や調理師などの専門家に向けた講座も開催している筆者が、バナナの月齢別の目安量や与え方、調理方法、簡単レシピについてわかりやすくご紹介します。
離乳食のバナナはいつから?
バナナは離乳食初期の頃から与えることができます。お粥や野菜のすりつぶしに慣れてきた頃に試してみましょう。
甘くて赤ちゃんに好まれやすいバナナは、糖質が多い食材です。
赤ちゃんがパクパク食べてくれるからといって、バナナばかり与えることは控え、様々な食材をバランス良く食べることを意識してくださいね。
バナナの栄養は?おすすめの理由
バナナはお米などに比べて、低カロリーで食物繊維が豊富。ビタミンB群や葉酸も含まれている栄養価の高い果物です。
バナナ | お米 | |
カロリー | 93kcal | 342kcal |
食物繊維 | 1.1g | 0.5g |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.38mg | 0.12mg |
葉酸 | 26μg | 12μg |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)参照:可食部100gあたりの数値
バナナが救世主!?赤ちゃんの便秘解消をサポート
食物繊維は、便秘の予防・解消に期待ができる栄養素。
赤ちゃんが離乳食を通して固形物を食べるようになると、母乳や育児用ミルクを飲んでいた時期に比べて、摂取する水分量が減り、便秘に悩む場合があります。
そんなときは、離乳食にバナナを少し加えてあげましょう。整腸作用が働き、赤ちゃんの排便をサポートしてくれるでしょう。
知ってた?茶色いブツブツは甘く熟したサイン
バナナを購入してから数日経つと、皮の表面に茶色いブツブツが出てきませんか?
これは「シュガースポット」と言って、バナナが甘く熟したサイン。
熟す前のバナナに比べて、柔らかい食感と甘みをより感じられるようになります。
そして、しっかりと熟したバナナはポリフェノールの含有量が増えると言われており、免疫力を高める効果に期待ができるそうです。
茶色いブツブツには、すごい秘密が隠されていたんですね!
月齢別!バナナをあげる時の目安
初期 (5〜6ヶ月頃) | 中期 (7〜8ヶ月頃) | 後期 (9〜11ヶ月頃) | 完了期 (12〜18ヶ月) | |
固さの目安 | なめらかにすりつぶした状態 目安: ヨーグルト状 | 舌でつぶせる固さ 目安: 絹ごし豆腐 | 歯茎でつぶせる固さ 目安: 熟したバナナ | 歯茎で噛める固さ 目安: バナナ・肉だんご |
大きさ・形状の目安 | なめらかにすりつぶして、 ヨーグルト状にする | 粗めにつぶしてあげる | 5〜7mm程度 | 1cm程度 |
1回あたりの目安量 | 15~20g | 20~30g | 30~40g | 40~50g |
※あくまでも目安です。赤ちゃんの成長に合わせて調整しましょう。
※また、1回あたりの目安量は野菜などを合わせた分量になりますので、他の食材と組み合わせてバランス良く食べることを心がけましょう。
バナナを食べさせる際の注意点
バナナは「特定原材料に準ずる20品目」に含まれます。食物アレルギーの症状が出る場合がありますので、初めて与えるときは、以下の項目に注意してください。
赤ちゃんの体調、機嫌がいい
体調の変化に気づけるように、赤ちゃんの体調や機嫌のいいときにしましょう。
バナナを初めて与える場合
バナナに限ったことではないですが、初めて与える食材は他の食材と混ぜずに、スプーン1さじから与えましょう。
加熱はいつまで?生はいつから
果物のアレルゲンは、加熱に弱いと言われています。
バナナを加熱するイメージはないかもしれませんが、初めて与えるときは加熱するようにしましょう。
加熱をすると甘みが増し、調理もしやすくなります。
また加熱するもう一つの理由は、「固さ」にあります。生後8ヶ月頃までは、舌でつぶせる絹ごし豆腐くらいの固さが理想です。バナナは離乳食初期から与えられる食材ではありますが、生のバナナをそのままかじって食べられるほど赤ちゃんの口は発達していません。
少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、しばらくは加熱して柔らかくしてから与えるようにしましょう。
生後9ヶ月を越えた離乳食後期以降は、歯茎で噛みつぶせる固さのものを食べられるようになります。
バナナに食べ慣れていて、肌の赤みや痒み・下痢や嘔吐などのアレルギーを疑う症状がなければ、生で与えてもいいでしょう。
バナナの離乳食での調理方法
離乳食初期の頃からバナナを与える場合は、なめらかなペースト状にする必要があります。
バナナを小鍋や電子レンジを使って加熱し、白湯や育児用ミルクを加えてトロッとしたペースト状にしてあげましょう。
すり鉢を使うと便利ですが、離乳食を始めたばかりであれば、裏ごしまでしっかりしてあげることをおすすめします。
赤ちゃんの舌は敏感なので、中心部分や皮と身の間にある繊維質は取りのぞいてあげるといいでしょう。
バナナの保存方法について
バナナは常温で保存できますが、シュガースポットが出てきたら冷蔵での保存に切り替えましょう。
冷蔵するときはバナナを1本ずつに分けて、保存袋や新聞紙に包んで野菜室に保存してください。
冷凍保存はできる?
バナナは皮をむいて保存袋に入れることで、冷凍保存も可能です。
解凍したときに調理しやすいように、あらかじめ輪切りや食べやすい大きさにカットしておくことをおすすめします。
バナナは空気に触れると黒く変色するため、輪切りにカットしたら、ラップに並べてぴったりと包むと良いでしょう。
カットしたバナナをなるべく重ならないように保存袋に入れて、しっかり密封させることが冷凍保存のポイントです。
バナナを使った簡単離乳食レシピ
離乳食初期「バナナのミルク和え」
離乳食初期の調理は加熱が基本です。赤ちゃんが食べやすいようにバナナをペーストにしてあげましょう。
材料
バナナ | 10g |
調整ミルク | 適量 |
作り方
- バナナを適当な大きさにカットして、ふんわりとラップをして電子レンジで600W20秒〜30秒を目安に加熱する
- 加熱したバナナをすり鉢ですりつぶす
- 調整ミルクを少しずつ加え、なめらかなヨーグルト状にしたら完成
離乳食中期「バナナきんとん」
離乳食中期は「モグモグ期」とも言われる時期です。便秘に効果的なサツマイモと赤ちゃんの大好きなバナナを合わせた一品です。
材料
バナナ | 10g |
サツマイモ | 15g |
作り方
- サツマイモの皮をむき、適当な大きさにカットしたら茹でる
- バナナも適当な大きさにカットし、ラップをして電子レンジで600W20秒〜30秒を目安に加熱する
- 柔らかくなったサツマイモとバナナを、つぶすように混ぜ合わせたら完成!
※水分が少ない場合は、白湯などを加えて食べやすくしましょう
離乳食後期「材料3つのオートミールおやき」
材料
バナナ | 1/2本 |
オートミール | 大さじ3 |
牛乳 | 大さじ2 |
作り方
- 牛乳にオートミールを入れて5〜10分おき、ふやかす
- バナナをフォークの背などを使ってつぶし、①と混ぜ合わせる
- フライパンに、赤ちゃんが掴みやすい直径4〜5cm程度を目安に生地をおとす
- 両面に焼き色がついたら完成!
※手づかみ食べにおすすめの「小麦・乳製品・砂糖不使用の米粉バナナパンケーキ」のレシピもご紹介しています。
離乳食完了期「バナナで作る揚げないドーナツ」
材料
バナナ | 1本 |
米粉(小麦粉) | 100g |
ベーキングパウダー | 小さじ1 |
絹どうふ | 150g |
豆乳(牛乳) | 50g |
作り方
- オーブンを180℃に予熱しておく
- バナナ、絹どうふ、豆乳をハンドブレンダーやフードプロセッサーなどを使って攪拌する
- ボウルに米粉とベーキングパウダーを混ぜておく
- 3のボウルに2を混ぜて、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる
- 型に4を流し込み、180℃のオーブンで20分焼いたら完成!
※手づかみ食べにおすすめの「小麦・乳製品・砂糖不使用の米粉バナナパンケーキ」のレシピもご紹介しています。
まとめ|離乳食にバナナはおすすめ
今回は、離乳期の赤ちゃんの成長に合わせたバナナの情報についてご紹介しました。
甘みがあり柔らかくて食べやすいバナナは、赤ちゃんの離乳食にぴったりなおすすめの食材です。
バナナを与えるタイミングや目安、調理方法、簡単な離乳食レシピなどを参考にして、ぜひ離乳食にバナナを取り入れてみてくださいね。