産後はホルモンバランスが変化し、体にいろいろな不調が出ます。中でも多い悩みが「産後のむくみ」でしょう。
ほとんどのママが経験する産後の悩みの原因と、対処法を体の部分別に解説していきます。
産後のむくみの原因は?
むくみとは体内に余分な水分が溜まっていることを言います。静脈やリンパ液の流れが滞って細胞と細胞の間に水分が溜まっている状態がむくみです。
産後のむくみはなぜ起こるのでしょうか。
・ホルモンバランスの変化
妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されていますが、産後は分泌が抑えられます。このホルモンバランスの急激な変化によってむくみが起きるのです。中には産後に一時的に更年期のような症状になる人もいます。
・体内の血液と水分量の減少
赤ちゃんに栄養や酸素を送るため、妊娠中は体内を循環する血液量が普段の約1.5倍になっています。また妊娠すると羊水によって体内の水分量が増加します。
ところが出産による大量の出血や羊水の排出によって、産後は体内の水分量が一気に減少してしまいます。さらに産後は母乳を頻繁にあげることでも体内の水分が失われていきます。
そのため体が失った水分を取り戻すために体内に水分を溜め込もうとします。水分が排出されないと足や顔などに水分が溜まり、産後のむくみの原因となってしまうのです。
・出産時の骨盤内のリンパ損傷
妊娠中はむくみがなかったのに、産後に足がむくんでしまったという話も聞きます。
出産の時は産道を赤ちゃんの大きな頭が通るため、骨盤内に多く集まっているリンパ節を圧迫してしまいます。そのためにリンパの流れが滞って産後に足がむくんでしまうのです。
特に次のような出産の場合に産後のむくみが多く見られるようです。
・分娩時間が長かった場合。
・分娩中に母子に危険が生じ、分娩を早めるために帝王切開、鉗子分娩、吸引分娩などによって短時間で出産した場合(急速遂娩)。
・赤ちゃんの頭が特に大きかった場合。
・産後の疲労やストレス
疲労やストレスは自律神経の乱れを引き起こして血行を悪くし、むくみを起こしやすくします。産後は体が回復していないうちに生活が一変して疲労もストレスも溜まる一方ですよね。
また昼も夜も泣く赤ちゃんのお世話で睡眠不足にもなります。その上、授乳や抱っこなどで長い時間同じ姿勢をしたり、思うように動けずに運動不足になったりもします。
運動不足や寝不足も基礎代謝を下げ、血流を悪化させてむくみの原因となるのです。
むくみはいつからいつまで?ピークは?
産後2~3日頃がむくみのピークだったという方が多いですが、個人差もあるようです。
産後のむくみは治らないということはなく早くて1ヵ月健診の頃、遅くても産後3ヵ月頃までには落ち着いてくるといわれています。
時間の経過により体調が回復して新しい生活に慣れることで、産後のむくみは自然に改善していくようです。
帝王切開の人が産後にむくみやすいってほんと?
帝王切開で出産したママの方が、自然分娩に比べて産後のむくみが起こりやすいといわれています。
それは帝王切開は自然分娩よりも産後に安静にする期間が長く、体を動かせるようになるまでに時間がかかるからです。
帝王切開のママは自然分娩よりも産後のむくみの期間が長引く傾向もあるようです。
また帝王切開は点滴をする量が多く体内に入る水分量も多くなるため、産後にむくみやすくなるともいわれています。
産後太りと産後むくみの違いは?
産後の悩みの1つとして産後も体重が戻らないという「産後太り」もあげられますが、産後のむくみとはどう違うのでしょうか。
産後のむくみと産後太りを見分けるためのやり方を紹介します。
すねの骨の上の硬い部分を10秒くらい指で押します。指を離して5秒くらい経っても皮膚がへこんだまま指の跡がついている状態なら産後のむくみの可能性が高いといえます。
反対に皮膚がすぐに元に戻って指の跡が残らない場合は産後太りと思われます。
また、足の甲の骨が見えなくなっている、足首のアキレス腱がくっきりと見えなくなっているというのも産後のむくみの特徴です。
まるで象の足?!産後の足のむくみの対処法は?
産後のむくみの中でも足のむくみが一番酷く、まるで象の足のようになって靴を履くのも辛かったという話をよく聞きます。
産後の足のむくみにおすすめの対処法やマッサージのやり方を紹介します。
・着圧ソックスを履く
着圧ソックスは普通のものよりも足に強い圧力がかかるソックスで、足にたまっている水分や血液を押し上げてくれます。
履くだけなので産後の忙しいママにも無理なくできる対処法です。
ただし着圧ソックスを履くと足が冷たくなったり、しびれを感じたりした場合は血流が悪くなっている可能性があるので使用をやめるようにしましょう。
・足をあげて寝る
足を床から10~15cm高くして寝ると、下半身で滞っていた血液を心臓に送り出しやすくなるので産後の足のむくみが和らぐことがあります。
寝る時に足の下にクッションや丸めたタオルを置くだけなので家にあるものですぐに始められますね。
足を高くあげすぎると、足の付け根の静脈が圧迫されてしまうので適度な高さで試してみましょう。
・足のマッサージ
足首から膝にかけて下から上へとふくらはぎを押していきます。マッサージをすることでリンパの流れがよくなり体内の老廃物の排出促進につながります。
1回のマッサージですぐには変化がなくても毎日続けることで少しずつ産後の足のむくみが解消されていくかもしれません。
入浴後など血行の良い時にマッサージするとより効果的です。
・足を動かす
座っている時間が長いと足がむくみやすくなるので、足首、ひざ、股関節など関節の曲げ伸ばしをして意識的に足のストレッチをしましょう。
また適度に歩くことも産後の足のむくみの解消につながるので、赤ちゃんが外出できるようになったらベビーカーや抱っこひもで近所を散歩するのもおすすめです。
顔がパンパン?!産後の顔のむくみの対処法は?
生まれたばかりの赤ちゃんとの写真をたくさん残したいのに、ママの顔がパンパンにむくんでいたら一緒に写真を撮るのを躊躇してしまいますよね。
ふだんの食生活で気をつけたいことや産後の顔のむくみに対処するマッサージのやり方を紹介します。
・食事の減塩を心がける
体内の塩分が過剰だと塩分濃度を下げようと水分を溜め込む働きが強くなり、むくみが酷くなってしまうことがあります。
減塩食品を食べたり、しょうゆやドレッシングの使い方に気をつけたりしてみましょう。
しょうゆやドレッシングは料理の上からかけるのではなく、別皿に出してつけながら食べると減塩につながりますよ。
・カリウムを摂取する
カリウムには体内の塩分を尿や汗として排出する作用があり、産後のむくみ解消につながります。
カリウムを多く含む食品には次のようなものがありますので、産後に積極的に食べるようにしましょう。
・納豆
・ほうれん草、パセリ、アボカドなどの野菜
・こんぶ、ひじき、わかめなどの海藻類
・杜仲茶、ハトムギ茶、ドクダミ茶、柿の葉茶などのお茶
・マッサージをする
親指以外の指を揃えて顎の下に置き、老廃物や余分な水分などを左右に押し流すイメージで手を顎のラインに沿って耳の裏まで動かしていきます。
これを10回繰り返した後、耳の後ろから首筋を通って鎖骨までをやはり老廃物や余分な水分などを押し流すイメージで撫でていきます。これも10回繰り返しましょう。
マッサージをする前にクリームやオイルを塗ると滑りがよくなってやりやすくなりますよ。
指輪が入らない?!産後の手のむくみの対処法は?
産後の手のむくみで結婚指輪が入らなくなったという話もよく聞きます。産後の手のむくみの対処法とマッサージのやり方を紹介します。
・指のマッサージ
まず、1本1本の指の付け根から爪先に向かって血液を流すように丁寧に押していきます。少し強めに押すのがポイントです。
次に指を掴んで外側に向かってねじるようにマッサージをします。体の中の水分の流れを作るリンパをマッサージすることで、産後の手のむくみの解消につながりますよ。
・簡単なエクササイズ
指を直接マッサージするだけでなく、体全体の血液の流れを良くすることも産後の手のむくみの解消につながります。
バンザイのポーズをして腕を心臓より上にあげることで指だけでなく腕全体がスッキリします。手のひらを握る開くを繰り返したり、手首を回したりするのも効果的です。
・手を温める、保湿する
指先が冷えてしまうと血行が悪くなり、手のむくみを引き起こします。お風呂で手を温めたり指のマッサージをしてみましょう。
・ツボを刺激する
手には「合谷(ごうこく)」というツボがあります。合谷は人差し指と親指の間を押して少し痛みを感じる場所です。
合谷を3秒ほど強めに押すのを数回繰り返すと血行が良くなり、産後の手のむくみの解消につながります。
辛い産後のむくみには体の部分別に対処法を試してみよう!
産後のむくみはホルモンバランスや体内の水分量の変化、出産時の骨盤内のリンパ損傷、産後の疲労やストレスなどが原因と考えられています。
体調が回復して新しい生活に慣れることで自然と改善されていくことが多いようですが、産後の大変な時期の体のお悩みって辛いですよね。
少しでも体を楽にして赤ちゃんと楽しく過ごせるようにこの記事で紹介した対処法を試してみてくださいね。
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