天井で優雅に回るシーリングファンは、リゾートホテルや海外の住宅に設置されているイメージがあります。この記事では新築住宅を建てる方のために、シーリングファンで得られる効果やメリット・デメリット、効果的な使用方法について解説します。
シーリングファンとは?
シーリングファンとは、天井に取り付ける大きなファンのことです。上質な癒しのインテリアとして印象的ですが、実は機能性にも優れています。室内の空気を撹拌(かくはん)することで、部屋全体の空調を整えてくれるのです。
主に海外のリゾート地のような非日常的な場所でしか見かけなかったシーリングファンですが、近年では日本でも空調効率の改善などで注目されるようになってきました。
シーリングファンの3つのメリット!
シーリングファンを設置することで、上質な美的空間はもちろん、快適で健康的な生活も手に入ります。その上、省エネによる電気代節約効果も得られるのです。
夏も冬も快適に過ごせる
夏に冷房をかけても上半身が冷えない、冬に暖房をかけても足元が温まらない、といった現象は、室内でエアコンによる温度差ムラができるために起こります。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行くからです。
シーリングファンを作動させることで室内の空気が撹拌され、室内に生じる温度差のムラが少なくなります。
節電することができる
エアコンをフル稼働させる夏季と冬季は特に冷暖房で電気代が高くなるため、頭を悩ませる方は多いのではないでしょうか。これも、シーリングファンによって解消できるかもしれません。
室内の空気を撹拌することでエアコンが効率よく稼働できるため、節電につながります。暖房の温度設定を1℃下げる(冷房の場合は上げる)だけでも大幅に消費電力が削減できます。一方でシーリングファンはエアコンに比べてあまり電力を消費しないため、トータルの電気代は抑えられるのです。
おしゃれな空間を作れる
シーリングファンのデザインには、天然木を使ったものやモダンな色調、シックなアンティーク風、照明付きのものなど、様々な種類があります。部屋のトーンに合ったものを選べるだけでなく、南国のリゾート地のようなおしゃれで開放的な雰囲気といった大胆なイメージチェンジも可能です。
シーリングファンのデメリット
ここからはシーリングファンのデメリットとその解決案を紹介します。導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
掃除に時間がかかる
デメリットとしてまず考えられるのは、掃除に手間がかかることです。
掃除するには、シーリングファンまで届く脚立やモップが必要です。掃除自体はほこりを取りさえすればいいのですが、脚立や長いモップを使っての作業は骨が折れます。気力も体力も必要なので、掃除の苦手な方には向いていないかもしれません。
費用に余裕がある場合は、昇降式のものを検討してもいいでしょう。電動で届く位置まで降ろせるので、掃除がかなり楽になります。同じく費用はかかりますが、プロの清掃業者に依頼する選択肢もあります。
天井の強度が必要
シーリングファンは、ある程度の重量があるので、必ず天井の強度を確認しましょう。特に、押すとすぐしなる天井や、主に和室で見かける竿縁天井、傾斜のある舟底天井は、取り付けに注意が必要です。
補強工事を行うことで取り付けられる場合もあるので、業者やメーカーに相談してみましょう。
天井の低い家には向いてないかもしれない
シーリングファンの元々の用途は、吹き抜けなど高い天井の室内に生じる空気の循環を改善して快適な空間を作り出すためのものです。そのため、天井が低い場合にはシーリングファンを利用しても、あまり効果を感じられません。エアコンだけで室内の温度が均一になっているケースが多いからです。
シーリングファンの失敗しない選び方!
シーリングファンを選ぶ際、どのようなことを検討すれば良いのでしょうか。失敗なく選ぶためには、以下に挙げる3つのポイントを検討してみると良いでしょう。
照明を付けるかどうか
最初に、照明付きのシーリングファンにするかどうかを決めましょう。ファンと照明が一体となっているタイプのものは、天井に他の照明を付けなくても良いのがメリットです。
調光機能や調色機能を確認することも大事です。ライトの明るさや光の色を段階的に変えることで、同じ部屋でも全く違う雰囲気になるからです。
また、このタイプは通常のタイプよりも重量がある場合があるため、天井の補強工事が必要な場合があります。また照明付近の細かい部分の掃除が大変なタイプもあるので、後々のメンテナンスも考慮した上で設置しましょう。
天井や家のタイプに合っているか
次に、自宅の広さやインテリアのイメージに合ったデザインのシーリングファンを選ぶようにしましょう。
天井の高さが240㎝程度の場合、圧迫感のない薄型のタイプがおすすめです。また、距離が近くなるため、モーター音や羽の回転音が小さなタイプを選ぶと良いでしょう。
天井の高さが250㎝以上ある場合は存在感のあるシーリングファンも選択肢に入ってきます。吹き抜けなど、天井が高い場合には、空気の循環効率を高めるため、延長パイプを使用することで床との距離を近づける必要があります。
羽の数や長さを決める
シーリングファンで使用される羽の数は、3枚から6枚までの間が一般的です。羽の枚数が増えるほど柔らかい風が吹きます。強い風が苦手な方には5~6枚タイプがおすすめです。直径は、天井が低い家の場合は100㎝未満が適しています。
羽のないタイプのものもあります。これは、風の渦を発生させて空気を撹拌する構造になっています。
おわりに
シーリングファンを設置することで、住まいのおしゃれなインテリアとしてだけでなく、夏も冬も過ごしやすい空間が手に入ります。節電の効果も得られることでしょう。
一方でデメリットもあるため、十分に検討した上で家に合ったものを選ぶようにしましょう。
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