ワンオペとは?なんの略?
一昔前に比べると耳にする機会が増えた「ワンオペ」。そもそもの意味は「ワンオペレーション」を略して「ワンオペ」と呼ばれるようになりました。
直訳すると「ひとり作業」となります。
本来ならひとりでは負担が大きく、困難な作業を、わけあってひとりで進めなければいけないような状況の時に使われることが多いです。
ワンオペでよく問題になる3つの事例
ワンオペ育児
パートナーが朝から晩まで家におらず、ひとりで子育てをしなければならない状況のことをワンオペ育児といいます。
ワンオペバイト
深夜のコンビニや飲食店で使われることが多いですが、アルバイトスタッフがひとりですべての作業をしなければならない状況のことをいいます。
ワンオペ介護
家族や親戚の介護をひとりで担う状況をワンオペ介護といいます。日常の身の回りの世話や精神的サポートまでひとりでこなさなければならない過酷な状況です。
経験者がワンオペ育児の現状を解説
ワンオペの事例でも、特によく耳にすることが多くなった「ワンオペ育児」。具体的にワンオペ育児とはどのような状況のことを表しているのか?
夫は海外単身赴任中、子連れ引っ越し6回経験済み、実家に頼ることなく6才男の子と3才女の子と3人暮らしをしている筆者が、ワンオペ育児をなるべく楽しく乗り越える方法をご紹介します。
ワンオペ育児になるケースとは
夫婦の家事・育児負担に関する意識が変わりつつある昨今ですが、どのような場合にワンオペ育児であると感じやすいのでしょうか。
ワンオペ育児の代表的なケースを挙げてみました。
夫の協力が不十分
日本の労働時間の長さから、物理的に家事や育児に時間を費やせないパパが多いことも現実的にあります。
朝は早くから会社へ行き、帰りは子どもが寝てからという状況であれば、ワンオペ育児の環境にならざるを得ないのです。
また、時間に余裕があったとしても、パートナーが家事育児は女性側がやるものであるという考え方であれば、サポートは期待できずワンオペ状態になっていると考えられます。
夫が不在
単身赴任や別居などで、そもそもパートナーが不在の場合は平日休日問わずワンオペ状態です。
転勤場所や子どもの進学などの状況で、一緒に暮らしたくても暮らせないケースもあります。
休日の公園は家族連れが多く、ワンオペママは心まで疲弊するかも…。
ひとり親である
離婚や未婚でシングルマザーとなって育児しているのであれば、仕事や家事、育児の全てを一人で担う必要があります。
いざという時頼れるパートナーもおらず、金銭的にも不安な日々が続いているかもしれません。
頼れる実家がない
実家が遠方の場合や近くても頼れる状況ではないと、結果ワンオペ状態に。
筆者も夫の転勤で実家から遠い土地に住んでいた時期、例え私自身が身体を壊しても育児を休むことができませんでした。解熱剤が効いているうちに、食事の支度など子どもの世話をするようにしていました。
ワンオペ育児の大変さとは
共働きのママ、専業主婦のママに共通して言えるワンオペ育児の大変さは、自分ひとりで全てをこなさなくてはいけない責任の重さや気軽に相談できる相手がいないことへの不安、育児のストレスを抱えていることなどです。
ワンオペ育児が辛い原因について、具体的に考えてみましょう。
子どもの日々のケアや世話に伴う疲労やストレス
子どもや赤ちゃんと常に一緒だと、ママの気が休まることはほとんどない状況です。
パパがいる休日は、少し単独行動で…なんてこともできません。
我が家は上の子が熱を出したら、その日は3人で缶詰状態。
その2日後に、下の子が熱を出す。
そんな状態で、一人が体調を崩そうものなら約一週間は3人で引きこもることになるのです。
また、子どもたちの心のケアも同じ。
子どもたちと生活をしていれば、当然叱らなければいけない場面も出てきます。でも叱ったあとに許すことも、ママひとりでこなさなければいけません。
お互いに引けない状況になった時、大人がもう一人いればうまく解決できるのに、と思ったことは数知れず。
全てを一人でこなすことにストレスを感じてしまい、つい感情的になり一人反省会を開く日も。
子どもの成長に伴う心身の変化への対応の難しさ
ワンオペで育てていると、男の子の心や身体の成長に関する実体験がなく戸惑うことも増えてきます。
こんな時は夫に相談したいなあと思うこともありますが、「そんなの気にしすぎ」などと軽い返事が返ってくるとイラっとしてしまうことも。
夫婦2人の子どものことを一緒に考え、相談できる人が近くにいれば少しは安心できるのに…。
家事や仕事との両立
就業において女性も男性も平等に扱われることになり、キャリア形成や自己実現など価値観が多様化しているはずですが、日本には「男は仕事、女は家庭」この価値観が未だに根強く残っていると感じられる事が多くあります。
例えば、同じように働いているはずなのに、子どもの保育園の送り迎えを工面しているのはなぜかいつも女性側ばかりであったりします。
また専業主婦の場合には、家事も育児も完璧にこなさなければならないという謎の圧力が感じられる場合もあります。
仕事に加え、家事育児の重責がのしかかっているママたちの毎日の労働時間は多大なるものです。精神的な負担も大きく、子どもの機嫌に左右されながらの家事・育児は、社会から断絶されているような感覚を味わうこともあります。
家事と育児の両立は、いつまで経ってもうまくいかないことばかりです。
ワンオペ育児を乗り越えるための対策
ワンオペ育児で目まぐるしく過ぎていく日々。子どもたちと良好な関係を築きながら乗り越えるためには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。
ワンオペ育児に疲れているママは、自分のライフスタイルに合わせて少しずつ取り入れてみてくださいね。
パートナーや家族とのコミュニケーション
家事や育児をママに任せきりの場合、パパ側は大変さに気がついていない場合があります。
「大変だから、〇〇をやってほしい!」とハッキリ伝えたり、辛い気持ちをひとりで抱え込まずに吐き出したり、シェアすることが大切です。
また、「みんなやっていることだから」と気負いしすぎずに、時には実家を頼ることも大切です。
一人で抱え込まずに、時折力を抜くことを意識して過ごすようにしましょう。
出産後の夫とのコミュニケーション不足が今でも夫婦関係にヒビを入れ続けていると感じているため、ここでは筆者の実体験をお伝えします。
第一子出産時、一緒に住んでいながらも平日は出張で一度も帰って来なかった夫。
退院翌日からわたしのワンオペ育児が始まりました。
初めはLINEで今日の出来事や子どもの様子を伝えるなどをしていましたが、思うような返事が来ることはなく、そのうち連絡の頻度も少なくなった我が家。「大丈夫?」と聞かれても、「大丈夫」と返す以外に会話がありませんでした。
夫の転勤先での新生活で友だちがいなかったこともあり、一日の会話と言えば、スーパーのレジで「袋要りません」の一言だけ。
(セルフレジの導入が進み、近頃はそんな言葉すらもいらなくなりましたね…)
この頃のわたしは、夫に話しても無駄だと思い込んでいました。
数年経ってから「あの頃は本当に辛くて、なぜか毎日涙が止まらなかった。泣き続ける我が子を目の前に、どうしたら良いか分からなかった。この子と一緒に死ぬことすら考えていた」と伝えると、「そんなの全然知らなかった。言えばいいのに」と。
初めての育児が大変だなんて、言わなくても伝わっているはず。ほとんど眠れていないし、一人で全部やっているのになんで!と思いましたが、そうです、当事者ではないから夫は全く理解できていなかったのです。
これを機に、本当に辛い時や話を聞いてほしい時は、「とにかく話を聞いてほしい。意見は求めてないから、話を聞いて」と前置きするのが我が家のルールになりました。
(意見は求めていないと伝えることも重要です笑)
専門家のサポートを受ける
一人になりたい時は、ベビーシッターや一時預かりサービスなどの安心して預けられる専門家のサポートを受けたり、家事代行などのサポートを活用して負担を減らすのも一つの手です。出費に繋がる上に、楽しているように思われるのも気になって、利用を躊躇う気持ちもありますよね。
しかし少しでも自分の時間をもつことで、より一層子どもを愛しく思えたり気持ちの整理がついたりします。子どもとの時間を大切にするためにも、周りの目を気にせずサポートを受けることをおすすめします。
ママ自身のケアも忘れずに
それまでオシャレが大好きだったのに、子どもが生まれてからは見た目も常にボロボロなんてことはありませんか?
一息ついて、ぜひ自分の好きだったことを思い出してみてください。
スーパーに行くだけでも、色付きのリップを使ってみたり、いつものスニーカーをローヒールのパンプスに変えてみたり。
ほんの少しのことですが、気分が明るくなるかもしれません。
子連れで行ける整体や託児のある美容室を探して行ってみるのも良さそうです。
また、疲れた時は納豆ご飯に少しお惣菜を足すだけで済ませる!など、自分なりの手抜きの方法を見つけることもおすすめです。
多少部屋が荒れていてもOK!手抜きご飯でOK!など、自分に許可を出すことを忘れずに。
できなかったことよりも、今日一日子どもと笑顔で向き合えたことを認めてあげましょう。
育児と子どもの成長を楽しもう
ここまでワンオペ育児の大変さと、その対策についてお伝えしてきましたが、「ワンオペを乗り越える」というよりも、「ワンオペを楽しんじゃう!」のように気持ちを切り替えることがポイントです。
「きちんとお母さんにならなくちゃ」「立派な子を育てなきゃ」という気負いより、まずは子どもとの時間を楽しむことを第一に考えてみましょう。
子どもとの特別な絆や成長の喜び
子どもと常に二人三脚状態だった我が家。
娘が増えて、今では三人四脚!やはり3人の特別な絆を感じます。
きちんとしたお母さんにならなくてはという概念を捨て、心や身体が辛い時は子どもたちに正直に伝え、休む時間をもらっています。
「お母さんだから」「子どもだから」と分けて考えるのではなく、家族だからこそ、時には正直に伝えることが大事なのではないでしょうか。
自分自身の成長や充実感の得られる瞬間
そしてなんと言っても、こんなに素敵な子たちを育てているという充実感を思い切り味わいましょう。
毎日子どもたちが笑顔で過ごし、今日も無事に一日を終えられたこと。それをサポートした自分にハナマルを。
いつもだったら見過ごしてしまう道端の花や空の色など、子どもが教えてくれることもたくさんあります。
それでも辛くなった時は、ぜひ写真アルバムを見返してみてください。
子どもの成長をいつもそばで感じていた自分や子育ての喜びに気が付くことができますよ。
ママ友や友人と一緒に楽しもう
育児に関する不安や悩みを1人で溜めないで、相談したり、悩みを打ち明ける事ができる相手がいると、息抜きになったり、孤独感を抱え込まずに前向きになれるでしょう。
ママ友や友人、子育て支援センターのスタッフや集まりに参加したりして交流を広げたり、または、SNSでの繋がりでもよいかもしれません。
お互いに助け合ったり、相談できる仲間がいると、ストレスが緩和されたり、「ワンオペ育児」のつらさや心細さを軽減させてくれるはずです。
転勤族のため、縁もゆかりもない土地で第一子を出産した筆者。
もちろんその土地に、友だちは一人もいませんでした。
大人になってから友だちをつくるって、なかなかハードですよね。
しかし上の子が生後6か月ほどになってから、このまま家に閉じこもってはいけない!と奮起して、さまざまな習い事に通うことに。
習い事先で出会うママは、子どもへの教育方針が同じ場合が多く、気が合う可能性が高いです。
わたしは習い事先で友だちができ、子育ての話をしたり、息抜きにランチをしたりすることができました。
ただしママ友トラブルが…なんて話も聞くので、自分が友だちになりたい!と思える人と仲良くすると良さそうです。
【まとめ】息抜き法を見つけよう!
赤ちゃんの時は、特に大変なワンオペ育児。全部完璧に家事育児をやらなくてはと思い込まずに、まずはママ自身が笑顔でいられる方法を考えてみましょう。
パートナーの協力を得られないのであれば、限界を迎える前に他に頼れるサービスを探してみたり、便利な家電に頼ってみたり。
自分なりの息抜き法を見つけて、子どもの成長を楽しんでくださいね。
最後に、アイフルホームでは、育児や家事を効率化させて楽しむ『FAVO for DAYS』という住まいをご提案しています。
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