共働きのご家庭が増えましたね!娘が通う幼稚園でも入園時に比べて共働きのご家庭がグッと増えました。総務省の2022年「労働力調査」詳細集計によると、夫、妻ともに就業者の共働き世帯は1,521万世帯となっています。そんな中聞こえてくるのは、毎日の仕事や子育て、家庭の大変さ。
この記事では、共働きで子育てする際の問題点と解決策についてご紹介します。
共働きで子育てが大変な理由とは?
「もう限界だ、しんどい!ちょっとそろそろ無理かも」と苦しんでいませんか?実はこれは私のママ友であるフルタイムで働くママの言葉です。
仕事もして子どももいれば当然そういうものだ、と軽視するのはとても危険に感じます。どんな小さなことでも積み重なると、ストレスや疲れが溜まりがちになりますよね。
共働きでの子育てが大変な理由を見ていきましょう。
時間的な制限
共働き夫婦が子育てをするにあたって大変なこととして、やはり時間的な問題が多くあります。共働きであることに加えて、子育てにかかる時間も考えると、スケジュールのやりくりにはじまり、日々の生活をこなすことで、いっぱいいっぱいになり、時間的に無理な状況が起こりがちです。
ですが、その無理な状況を感じながらも、毎日続けている方は多いのではないでしょうか?
「子どもと過ごす時間がとれない」「自分の時間がない」など、時間的な問題から、家族のために仕事をしているのに、何のために働いているのかわからなくなって悩んだり、ストレスを感じたりすることがあるでしょう。
精神的な負担
共働きであると、親族などに子どもを預かってもらう機会も多いでしょう。そんな時「人に預けてばかりで子どもがかわいそう」などと心無い言葉をかけられ、悲しい思いをして精神的負担を感じることがあるでしょう。
また、子どもが小さいほど、保育園などの送迎に合わせた勤務時間への影響や、子どもの急な体調不調などで、仕事が予定通りに進まなかったり、仕事を休むことになることも多いでしょう。「もう有給も残ってない、次また風邪をひいたらアウトだ」と聞くことも少なくありません。
このような状況が続くと、仕事が終わらないことへの焦りや、職場へ迷惑をかけてしまうという心配から、精神的な負担を感じることがあるでしょう。
家事や育児の両立の難しさ
家事や育児の両立の難しさは、まさに文字通り教科書通りにはいかない難しさです。育児は、どんなに緻密にスケジュールを考えても、その通りにいくことはまず難しいでしょう。
子どもが小さいほど、家事との両立は大変です。子どもの送迎に始まり、食事や生活の多くの部分でまだまだフォローが必要です。送り迎えひとつとっても、タイムテーブル通りに毎朝間に合うように家を出るというたったそれだけのことが、どれだけ大変かという話です。
子どもはモノではないので、育児の残りは明日に!と後回しにすることはできません。家事にしても、一つひとつをルーティン化していたとしても、そのルーティン自体をこなすのが本当に難しいのが現実です。一つでも歯車が狂えば、溢れてしまうことが目に見えているのが現実でしょう。
パートナーとのコミュニケーション不足
コミュニケーション不足も、共働きで子育てをするうえで大変な理由になりやすい問題です。共働きでお互いに忙しくしていると、なかなか時間が合わなかったりと、コミュニケーションをとる時間がないという方も多いのではないでしょうか。
コミュニケーションが不足すると、すれ違いが生じたり、情報共有が不足してその結果、トラブルが起きたりします。積み重なると、スケジュールの調整が大変になり、家事や育児の役割分担の比重が片方に偏ってしまったりと、結果いわゆるワンオペという問題などにつながる可能性があります。
共働きとは?子育てが大変な時期は?
そもそも共働きとは何なのでしょうか。共働きで子育てをしていくのに、いつが大変で、一体いつまでが大変なのでしょうか。
共働きで子育てをしていくことの実態を覗いてみましょう。
共働きの定義・実態について
共働きとは、夫婦がともに就労していることです。共働きは家庭に働き手が2人いることから、「二馬力」と呼ばれることもありますが、共働きがどこまでなのかは、調査や集計方法によって変わってきます。
「共働き」を夫婦ともに就業者とした場合には、正規雇用の職員・従業員の他にも、非正規雇用のパ-ト、アルバイト、派遣社員、契約社員や嘱託なども共働きに含まれます。夫婦ともに働いていれば、パ-トやアルバイトなどで扶養控除の対象となる年収103万円未満でも、年収が130万円未満の第3号被保険者でも就業者になりますので「共働き」に含まれる事になります。
共働きが増えた理由は様々ありますが、実態としては、非正規雇用が女性の方が多い事などから、男女での賃金格差や待遇の格差がまだまだ残っているのが実態と言えるでしょう。
共働きで子育てをしている家庭は増加していますが、男性よりも女性に負担が偏っていることが多いのが現実でしょう。
共働きでもそうでなくても、子育ては夫婦二人ですることです。パパ・ママの二人で仕事をしているならば、なおさらお互いが積極的に子育てをしていくことができるように考えていくことが不可欠ではないでしょうか。本当の意味での共働き、子育ての整った社会は、まだまだこれからがスタートと言えそうです。
いつ大変?いつまで大変?子育ての時期的大変さの変化
出生〜乳児期(0〜1歳ごろ)
子どもが生まれてからまだ小さいころは、やはり、夜泣きや回数の多い授乳などで、睡眠不足になることが一番大変かもしれません。数時間毎の授乳が必要なこの時期は、お世話をしていると、まとまった睡眠時間や休息を取ることは現実的に不可能です。
産休・育休中の方が多い時期ですが、育児に休暇はないので、産後の疲れや子育てのストレスが溜まりやすい状況でしょう。
また、保育園に預けるための、いわゆる「保活」や、入園した方も始まったばかりの共働き子育ての日常で、やらなければならないことと、やりたいことで大忙しでしょう。
幼児期(1歳〜小学校入学まで)
子どもが歩き出すようになると、ますます手も、目も離せない状況になってきます。「イヤイヤ期」「魔の2歳児」「トイレトレーニング」子育て経験者であれば、知らない人はいないであろう、有名ワードが盛りだくさんの時期です。
子ども自身が色んなことが、目に見えて出来るようになる嬉しい時期ですが、体力がついてきて、元気いっぱいな子どもの相手をするのが体力的に大変な時期でもあります。
小学生
小学生になると、最初にぶち当たるのが「小1の壁」です。子どもが小学生になると同時に時短勤務が終わってしまう方も多いでしょう。働き方について色々と考えてしまう時期でもあるかもしれません。
小学生になると、学校後の子どもが過ごす場所について考えることが大変でしょう。学童や放課後預かりのサービスなどの検討や、夏休みなどの長期休暇の時の過ごし方についても準備が必要です。
学童を利用する場合でも、夏休みなどの長期休暇中は、お弁当持参など、普段とは違う負担が増えることも考えておかなければなりません。
子どもが小さければ小さいほど、手間や時間がかかる大変さがあります。そして子どもが成長して年齢があがるほどに、今度は、時間や制度やスケジュールなどのやりくりの大変さが出てきます。
どの時期でも、その時それぞれに子育ての大変さがあります。大変なことをあげればキリがないですが、共働きで子育てをしていくために、先を見越して、乗り越えていく術を準備しながらやっていきたいですね。
共働きでの子育ての問題とは?
共働きで子育てをする上での課題をみていきましょう。まずは、しっかりと課題を洗いだし、効率的に対処する方法を考えることが大切です。
子どもの保育園や学校の送迎
園や学校の送迎に関しては、子どもの年齢によっても問題点が違ってくるので、都度見直しが必要です。
保育園児の頃は、まだまだ熱を出したり、急なお迎えの対応も少なくないでしょう。どちらの親が迎えに行くのか、周囲のサポートや外部サービスなど助けてもらえるところを、あらかじめ考えておくと良いでしょう。
共働きでお迎えが多い片方の側になると、その後の子どもとの時間と家事に追われるので、負担が偏らないようにすることも大切です。
小学校に通うようになると、また新たな課題が出てきます。時短勤務をしていた方でフルタイムに戻るという方も多いタイミングでしょう。
入学後しばらくは、給食がなくお昼前に下校というところもあります。学校が終わった後に子どもが過ごす場所を考えなければなりません。学童などの預かりサービスを考えなければなりません。
近年では、学校まで迎えに来てくれて、そのまま預かってくれる習い事も増えています。習い事もさせてあげたいなという方におすすめです。
家事や食事の準備
仕事を終えて帰宅してから、家事や食事の準備をするのは本当に大変です。帰宅してから寝るまでに、子どものこと、自分のこと、食事、家事・・・子どもの次の日の準備などもみる必要があります。
仕事が終わって今日も一日お疲れ様!とは終わらないのが、仕事を持ちながら子育てをする人の現実です。子どものお迎えが遅い家庭ほど、夕食の時間が遅くなってしまいますよね。
ゆっくり一息つきたいなと思うところですが、次の日のことを考えたり、子どもの生活リズムを考えると、なるべく早く食事を用意したり、家事を終えたいと考えるでしょう。共働きにおける家事や食事の準備はまさに時間との戦いです。
子どもの健康管理
共働きで子育てをするうえで、子どもの健康管理も外せないポイントです。小さい時期はどんなに気を付けていても、子どもが体調を崩すことは少なくないですよね。
兄弟がいれば、家庭内で風邪など順番にうつって看病が長く続くこともよく聞く話です。そうなると、仕事を休まなければならない状況も増えてしまいます。
「夫婦ともにもう有給が残っていない!」という話も珍しくありません。子どもも小さな身体で毎日頑張っています。子どもの心と身体の健康管理はしっかりしていきたいポイントです。
家計のやりくり
共働きの利点として、収入を増やすことができる点が大きいでしょう。お金の面では、2人の収入源があれば、収入が増える事になります。しかし、共働きで子育てをしていると、忙しさや疲れから、食事において外食や惣菜の購入が増えたりして、食費などの支出も増える可能性があります。
共働きでダブルの収入があるわけですが、家計のやりくりも忘れずに考えていきましょう。こんなに一生懸命働いているのに何で?ということが起こらないよう上手にやっていきましょう。
共働き夫婦がしんどくならないための方法
共働きで子育てをうまくやるためのおすすめの方法をご紹介します。
ここまで、共働きで子育てをするうえでの問題点などをみてきましたが、解決法の正解は一つではありません。自分たちに一番合った方法をみつけて、負担やストレスを軽減させましょう。自分ひとりだけでなく、相手や家族みんなに合った方法を考えることが大切です。
①家事や育児のタスクを分担すること
仕事のように、家事や育児のタスクを分担する方法です。
まず、タスクを洗いだした上で、お互いの得意、不得意やこだわりを共有し合いましょう。その上でタスクを分担します。毎日固定で分担する方法もあれば、曜日や平日休日で分ける方法もあります。
また、振り分けたタスクも、こなせない場合などはどうするかなど、助け合う方法についても、考えておくと良いでしょう。
上手くいく方法は一つではないので、色々試してみて、お互いにとって合う方法を見つけていきましょう。
②効率的な家事のやり方
効率的に家事をするためにはポイントがあります。
- やることを減らす
- 見える化する
- 自動化・ルーティン化する
このポイントを上手く取り入れれば、毎日の家事をぐっと効率的にすることができるでしょう。
まず、やることを減らしましょう。今まで毎日当然のようにやっていたことでも、実は頻度を減らしたり、やらなくてもよいことだったりすることも結構あります。回数を減らしたり無くすことによって、家事の負担を減らすことができます。
次に見える化です。家事とひとことで言っても、細かいことまでたくさんの項目があります。家事を細分化して見える化しましょう。家の中に「家事」にあたることがどれだけ存在するのかを全て把握することが大切です。
それぞれの家事をやる曜日や誰が担当しているのかも合わせて確認しましょう。担当の割合や負担に問題が無いかを考えて、問題を減らしていくことが何より効率化につながります。見える化をしたら、次は自動化やルーティン化をしましょう。
ネットスーパーを利用すれば、買い出しの時間を短縮することができます。洗濯も、必ず朝やらなければという決まりはないでしょう。私自身も、毎日夜お風呂に入っている間に洗濯機を回して、部屋干ししてから寝るというルーティンなのですが、朝バタつくことが無くなり気持ちに余裕が出来ました。
自分たちに合った効率的な家事の方法を見つけて上手く回り始めると、家事が楽になった実感が持てるようになるでしょう。
③家族で協力して時間を作ること
お互いに協力し合って時間をつくることを意識的にしましょう。忙しい毎日でまとまった時間は多く取れなくても、コミュニケーション不足でのすれ違いやトラブルが起きないように工夫したいですよね。
業務的になりすぎても負担になる可能性があります。大切なことは、お互いが、お互いの事、家族のことに目を向けることや、過ごす時間を作ることではないでしょうか。
④ストレスを解消する方法を把握する
自分のストレス解消の方法をわかっていますか?意外と自分のストレス解消の方法を具体的に考えたことがないという方もいるのではないでしょうか。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、ストレスを解消する方法を持っていれば自分でストレスをコントロールすることができるでしょう。
⑤便利家電の活用
食洗器やお掃除ロボットや自動調理機など、便利な家電が増えましたね。負担の軽減や時間の短縮に活躍する便利家電は、積極的に活用していきましょう。
お値段が張るものも多いですが、サブスクできるものも多くあります。お試しして自分たちに合うものを探してみるのも良いでしょう。
⑥家事代行サービス・ベビーシッターの利用
家事を頼むことや、コストを気にして利用することのハードルを高く感じている方も多いかもしれません。最近では、気軽に利用できる家事代行やベビーシッターのサービスも増加し、毎日の利用でなくても、短時間の利用など、希望に合わせてお願いすることができます。
コスト面が気になる方も多いですが、共働きで収入が多いご家庭も多いでしょう。共働きにおける家事の負担を軽くするために、コストをかける部分もあって良いのではないでしょうか。
お住まいの自治体によっては、産前産後や子育て支援として、サービスがあることがありますので、一度調べてみることをおすすめします。
共働きで子育てをする際に心がけたいこと
共働きにおいての子育ての問題点などをみてきましたが、ここでは、共働きで子育てをする際に心がけたいことについてご紹介します。
共働きの子育ての負担を減らし、より良い家庭環境をつくるためにできることを考えてみましょう。
パートナーとのコミュニケーションや共有するルール
パートナーとのコミュニケーションが、共働きで子育てをするうえで最も大事なことと言えるでしょう。スケジュールなどの業務報告的なことを共有するだけでなく、日常の小さな出来事なども共有していけると良いでしょう。子育ても一緒に行っているという実感にもつながりそうです。
コミュニケーションですから、共有するときは一方通行にならないようにすることも大事ではないでしょうか。いつも伝える側、聞く側という立ち位置ができてしまうと、伝える側は負担になり、いつしか業務報告的なことだけになってしまう可能性があります。
聞く側が多い立場であっても、受け身にならず、伺う姿勢を大切にしたいですね。
自分自身のケアやストレスマネジメント
共働きで子育てを続けていくために、自分自身を大切にしましょう。特に日本のママたちは、まだまだ自分を犠牲にして頑張り過ぎではないでしょうか。
近年、女性の社会進出も進み、子育てや家事に加えて、仕事も持つようになりました。真面目さも大事ですが、無理のない範囲でやることを念頭に、自身のケアやストレスマネジメントをしっかりと行っていくことを大切にしましょう。
自分で自分をセルフコントロールして、共働きをスムーズに続けていけるように、自分自身のことも大事にしていきましょう。
子どもたちとのコミュニケーション
共働きで忙しくしていると、子どもとのコミュニケーションがとれているかも気になる所ですよね。
一緒に過ごす時間が短いと心配する声もよく聞かれますが、子どもとのコミュニケーションは、時間より質が大切と言われています。
短い時間でも、しっかりと会話をすることを意識したり、自分にとってどんなに子どもが大切なかけがえのない存在であるかをたくさん伝えてあげることが大切ではないでしょうか。
【まとめ】無理や限界にならないように協力を!
共働きで子育てをしていると、一筋縄ではいかない状況が日常茶飯事だったりします。パートナー、子どもと相談しながら、協力して、ストレスなく共働きで子育てができる方法を見つけていきましょう。
仕事をしていても、子どもがいても、目指すものに思いっきり打ち込める社会になって欲しいですね。