小学生のおこづかいはどうしていますか?子どもだけで行動する機会が増え、お金を渡す機会も増えてきますよね。親としては、無駄遣いをしないようにおこづかいを通して、お金の使い方や、やりくりを学んで欲しいと考えている方が多いでしょう。
今回の記事では、小学生のおこづかい事情や、金銭感覚を養う方法などもご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね。
小学生はおこづかいをみんなもらっているの?
小学生のおこづかい事情
小学生になると、全体の7割強がおこづかいをもらっています。
おこづかいのもらい方としては、低学年では「ときどき」もらう方法の子どもが57.3%と最も多いのに対して、高学年になると、「月に1回」が45%と最も多いという結果が出ています。
このことから、学年が上がるにしたがって定期的なおこづかいをもらうようになっている子どもが多いことがわかります。
おこづかいの必要性 (成功体験、失敗体験、お金の大切さなど)
おこづかいを始めよう!としたときに、何年生だからいくらくらいかな?と考えがちですが、まず大切にしたいことがあります。
それは、おこづかいの必要性について考えることです。
おこづかいは、何のために、何故あるのかを親子で話し合ってみましょう。
ママやパパが働いてお金を稼ぎ、お金を使っていることを考えてみることが、一生を通してお金と付き合っていく、金銭感覚を養うことの一歩になるでしょう。
手にしたおこづかいを、子ども自身がどのように使うかを考えて、そして選ぶ。自ら選択する力もつけていけると嬉しいですね。
上手にお金を使う成功体験だけでなく、「使い過ぎて無くなっちゃった」なんていう失敗体験も経験していくことが大切です。
失敗した際には、親子で話し合って、失敗を次に繋げていけるように導いてあげましょう。
成功体験も失敗体験も繰り返すことで、お金の大切さや、お金に対する向き合い方を勉強していくためにも、おこづかいを上手に取り入れていきましょう。
おこづかいの平均相場
小学生の子どものおこづかいの平均相場はいくらくらいなのでしょうか?
使い道なども合わせてご紹介します。相場の金額を知ることで、おこづかいをもらう子どもの満足度が上がりますし、周りとの金額の差でトラブルになるのを、防ぐことにもつながるでしょう。
■低学年(小学1年生・小学2年生)
平均値 500円
最も多い金額帯 500円~700円
低学年の頃は、まだお金の計算も難しかったり、自分で買い物をする事自体が初めてという子どももいますよね。
使い道としては、お菓子など少額のものを買うなどが多いとされています。
まだまだ親と行動することが多い年齢の為、自分のものを買う場合、少額で足りているという状況です。
■中学年(小学3年生・小学4年生)
平均値 500円
最も多い金額帯 500~700円
中学年においても、小遣いの平均値、最も多い金額帯ともに低学年と同じとなっています。
しかし、中学年になると生活行動に変化が出てきます。
子どもだけで遊んだり、出掛けたりする機会が多くなります。
使い道はお菓子や飲み物などが多いですが、行動に合わせて機会も増えるため、使う金額も増えてきます。
平均値や金額帯は低学年と一緒ですが、実際は低学年の頃よりも、おこづかい額が上がっていることが多いです。
■高学年(小学5年生・小学6年生)
平均値 1,000円
最も多い金額帯 500円~700円
高学年になると、ぐっと平均値が上がります。さらに行動範囲も広がり、習い事の行き来など、子どもだけで動く機会がさらに多くなり、おこづかいを使う場面も増えていきます。
使い道は、お菓子やジュースを買うなどとともに、おこづかいを貯めて買い物をするなど、計画的に使う事も出来るようになります。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf
おこづかいの渡し方
小学生のおこづかいの渡し方は、どのようなものがあるのか見てみましょう。
大きく分けて「定額制」「報酬制」「必要なとき都度」の3つがあります。
それぞれに特徴がありますが、子どものタイプや、身につけて欲しい能力などに合わせて決めるのもおすすめですよ。
定額制
定額制は、毎月同じ金額を渡すスタイルです。月単位で、おこづかいの使い道を考えることが出来るので、親も子も管理がしやすいでしょう。
お給料のように、月に1回や決まった回数でおこづかいを渡し、その中でどのようにやりくりしていくかを繰り返すため、管理する能力や、計画性が身につくでしょう。
毎月定期的にお金がもらえることが当然にならないように、子どもに伝えていくことも大切です。
報酬制
報酬制は、お手伝いなどの対価としておこづかいを渡すスタイルです。
テストで目標の点数を取ったらおこづかいを渡すという方法もありますよね。
頑張って勉強をしたり、お手伝いをすることの対価として、おこづかいをもらうので、お金が労働の対価であることを身をもって実感していくことができます。
頑張れば対価がもらえることが特徴のため、対価がなければ頑張らない、ということにならないように注意が必要です。
都度制
都度制は、子どもから申告がある都度お金を渡すスタイルです。
子ども自身が欲しいものがあるときに親に伝える必要があるため、交渉したりと伝える力をつけることができます。
一方で、言えば何でも買ってもらえるという状況にならないように注意が必要です。買う必要があるのか無いのかを話し合うので、コミュニケーションがとりやすい特徴もあります。
お小遣いで注意すべきこと
金銭感覚など、お金に対する考え方を身に着けていくスタートの時期である小学生。
親子でしっかりとお金の話をして、ルールを決めたうえで、おこづかいを渡すことが大切です。
我が家では、おこづかいを渡す時も、親がお金を出して子どもが欲しいものを買う時も、お金について積極的に話をすることを意識的にしていますよ。
アップの基準
おこづかいの金額をアップする場合の基準を決めておきましょう。
学年や年齢があがったら金額をアップしたり、報酬制のスタイルの場合でも、どのような場合に金額がアップするのかを、あらかじめ話し合って決めましょう。
貸し借り禁止
お金の貸し借りは、一番のトラブルの元といっても過言ではありません。お友達との間でのお金の貸し借りが禁止であることはもちろん、親子の間でも、貸し借りは禁止にすることをおすすめします。
子どものおこづかいであっても、お金を借りることは「借金」と同じです。おこづかいを使い過ぎてしまって、足りなくなった場合などは、不要な貸し借りにならないように、親子でよく話し合いましょう。
労働の対価
親が子どもに渡すおこづかいは、親の労働ややりくりから生まれた対価から出ているものです。定額制や報酬制など、おこづかいのもらい方は様々ですが、お金が労働の対価によってうまれる大切なものであることを、学んでいけると良いですね。
お小遣い帳の記入
おこづかいをどのように使ったのか、お小遣い帳をつけてみましょう。記入することによって、子どもが自分で、おこづかいの使い方を振り返ることができます。
どのように使って、いくら残っているのか。その後どのようにしていけるか計画や目標を立てたりすることを習慣にしていけますし、親子でおこづかいの話をする際にも良いですね。
目的を明確にする
おこづかいで、何を買いたいのか、必要なものなのか、どのようにお金を使って行くのか目的を明確にしましょう。
子どもの意見を尊重(親は口を出しすぎない)
渡したおこづかいの使い方に対して、親が口出しをしすぎないようにしましょう。
あくまでも、子どもの考えを尊重していくことが大切です。
口を出しすぎると、子どもは自分でお金を管理したことにならず、長い目で見ても、金銭感覚が身につかなくなってしまう危険がありますので、注意しましょう。
貯金と投資について(必要なものを購入、将来の利益のため)
貯金と投資、どちらもお金を大切に使うための良い行いです。
貯金に関しては、まずは自分の欲しいもののために、必要な額を貯めるために我慢をするということから、少しずつ習慣にしていきたいですね。
一方で投資とは、必要なものを買うためにお金を使うことですが、少し先の将来を見据えた上で必要なものに、お金を使うことです。
今の時点で少し高いなと思うものであっても、長く使えば、今買った方が結果的に安く済むという考え方の上でお金を使うこの「投資」についても、金銭感覚の一つとして身につけていきたいですね。
お小遣いでお金の管理・金銭感覚を学ぶ
おこづかいを取り入れることによって、お金で、どんなものを買うことが出来るのか、どんなことを実現することが出来るのかを、経験することができます。
お金は、使ってしまえば、あっという間に無くなってしまいます。先を見据えて計画的に使うことを学んで欲しいですよね。
我が家でも、必要なものと欲しいものがあること。お金は労働の対価として得られるもので、お金を使うことにも、自分の判断と責任があることを、親子の話し合いを通して少しづつ伝えています。
お小遣いからご家庭でもお金の教育を!
2020年度から実施の学習指導要領に合わせて、金融教育が効果されて、小学校でも「お金の勉強」が始まっています。
生きていく上で欠かせない、お金との付き合い。金銭感覚は、大人になれば自然に身につくものでも、短期間で身につくものでもありません。
おこづかいをあげることを通してご家庭でも小学生のうちから、計画的な使い方や、管理ができるようになるために学んでいきましょう。