ペットと子どもが一緒に生活するといろいろなメリットがあることをご存じでしょうか。
前回は、子どもの成長過程にペットが果たす役割として情操教育(心を育てる)に良いことをご紹介しました。
では心の成長だけでなく、身体の成長にはどんな役割を果たすのか。東京都立大学名誉教授である星旦二氏の著者「ペットがもたらす健康効果」を参考に、掘り下げていきたいと思います。
ペットを飼うと子どものゲームやスマホ時間が減る
英国の9才~10才の子ども2,055人を対象とした調査では、犬を飼育している家庭の子どもたちは、犬を飼育していない家庭の子どもたちよりも活動的に過ごす時間が長く、また、一日あたりの歩数も多くなることが分かりました。
日本では、携帯電話の発達やゲーム機が子どもたちの間に急速に普及したことに伴い、子どもたちの運動機能は低下し、運動時間は減りつつあります。
しかし、子どものいる家庭でペットを飼うようになると、身体を動かす時間が増え、ゲームやスマホ時間が減り、成長期の子どもたちの健康づくりに役立つことが期待されます。
※引用:人と動物の関係学研究チーム編著「『ペットがもたらす健康効果』株式会社 社会保険出版社 2020年発行 p.28」
子どもの肥満予防や運動機能の向上につながる
前述の英国の調査では、犬を飼育している家庭の子どもたちは、犬の飼育のためによく身体を動かすようになるためか、健康が増進して子どもの肥満予防の効果があるという結果も出ています。
他の研究でも、犬がいると子どもたちの運動機能が向上し、より積極的に、また素早く行動するようになることも分かりました。
オーストラリアの19の小学校でも、5才~6才の281人と、10才から12才の864人を対象に、子どもたちの身体測定と聞き取り調査をした結果、犬を飼っている家庭の子どもたちで、特に年齢が低い子どもたちほど太っていませんでした。
欧米諸国で問題になっている幼少期からの肥満を防止する効果があることも分かっています。
※引用:人と動物の関係学研究チーム編著「『ペットがもたらす健康効果』株式会社 社会保険出版社 2020年発行 p.30」
犬がいると子どものミスが減り、学習機能が向上する
過去の研究により、子どもたちの言語機能は運動機能とともに発達することが分かっています。
犬が存在することによって、運動機能も向上し、子どもたちのストレスが低下し、リラックスして課題に取り組むことができるようになるため、ミスが減り、学習機能の向上につながることが報告されています。
※引用:人と動物の関係学研究チーム編著「『ペットがもたらす健康効果』株式会社 社会保険出版社 2020年発行 p.30」
犬は子どもの精神的な苦痛、肉体的な痛みも緩和してくれる
米国での研究によると、犬の介在療法(ドッグセラピー)により、痛みまでも軽減されることが分かってきました。
手術後間もない5才~18才の子ども25人にドッグセラピーを実施したところ、セラピー後に、肉体的な痛み、精神的な苦痛が明らかに軽減しました。
米国ミネソタ州でも、3才~17才の何らかの痛みを持つ子ども57人にドッグセラピーを行ったところ、15分間ただリラックスしているだけの子どもと比べ、セラピーを行った子どもは痛みが約1/4に軽減されていました。
これは、ドッグセラピーによる刺激で鎮静作用を持つエンドルフィンなどが分泌され、幸福度が向上して痛みが軽くなり、リンパ球の働きも活発になって免疫力も上昇したものだと思われます。
※引用:人と動物の関係学研究チーム編著「『ペットがもたらす健康効果』株式会社 社会保険出版社 2020年発行 p.31」
ペットとの生活は子どものストレスを緩和し生活の幸福度を高める
子どもたちの幸せのためには、ストレスや不安、痛みの解消はとても重要です。
これらが積み重なれば、胃腸炎、心臓循環器疾患、整形外科的疾患(骨筋肉系疾患)や呼吸器系疾患に至る場合もあります。
ネブラスカにある大学では、3才~6才の子ども23人の医学的検査が行われました。
犬がいる場合といない場合でストレスの増減を比較したところ、犬がいる場合は、いない場合に比べて、ストレスの指標となる収縮期血圧、動脈血圧、心拍数が下がり、子どもたちの幸福度を高めることが分かりました。
※引用:人と動物の関係学研究チーム編著「『ペットがもたらす健康効果』株式会社 社会保険出版社 2020年発行 p.33」
最後に、人の健康度や幸福度についての調査結果を紹介します。
■どうぶつと暮らし始めて健康になったと思うか?
■飼い主の幸福度
■どうぶつを飼育して健康になったと考える人の幸福度
「どうぶつと暮らし始めて健康になったと思うか」との質問に対して、 「非常に健康になった(18.2%)」「まあまあ健康になった(41.7%)」の合わせて約6割の方が「健康になった」と回答しています。
また、どうぶつとの暮らしを「とても幸福だと思う」が33.4%、「まあまあ幸福だと思う」が56.1%となり、 飼い主の9割近くが「幸福」だと感じている結果となりました。
さらに、どうぶつと暮らして「非常に健康になった」「まあまあ健康になった」と回答した人の90%以上が 「とても幸福だと思う」「まあまあ幸福だと思う」と感じていることも分かりました。
この結果から、どうぶつと暮らすことが人の健康や幸せと関係していることが伺えます。
参考:内訳、幸福度と健康度|どうぶつkokusei調査2016│ペット保険のご契約は【アニコム損保】 (anicom-sompo.co.jp)
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