毎晩寝かしつけが辛い…
授乳や夜泣きで続いたまとめて眠れる時間がとれない寝不足の生活が終わると思いきや…
夜になっても目がギラギラな体力おばけちゃんたちに「もううんざり」。
「日中しっかり遊んだはずなのにまだ寝ないの?」
といった、寝かしつけで悩みやイライラを感じてしまう事も多いのではないでしょうか。
今回は2歳~3歳頃の寝かしつけのコツを紹介します。
寝てくれないのには原因がある?
乳児期(0歳~1歳)と幼児期前半(2歳~3歳)の眠りの違い
新生児期の赤ちゃんは1日のほとんどが睡眠時間という状態でした。
個人差はありますが、細切れの睡眠が乳児期頃まで続きます。
1歳頃になると起きている時間が長くなり、夜まとまった睡眠を取れるようになります。そして、お昼寝を1~2回取るというサイクルになっていきます。
幼児期になると体内リズムがついて、日中しっかり体を動かすことができるようになります。
また、授乳や排泄の頻度が減り、食事も取れるようになる為、だんだんまとまって眠ることができるようになるのです。
そして体力がついてきたり自我が強くなる時期なので「まだ遊びたい」「まだ起きていてママパパと一緒にいたい」など睡魔に反抗抵抗することも多くなります。
幼児期前半で気を付けたいこと
乳児期に比べて長く眠ってくれるようになりますが、油断は禁物。
抱っこで寝たあとベッド等におろす時や、子供が眠っている部屋へ出入りした時に起きてしまったという経験はありませんか?
睡眠中は深い眠りと浅い眠りを繰り返しながら、波形のようなリズムで眠ります。 大人に比べて子供は深い睡眠と浅い睡眠の波が浅く、ちょっとした物音や振動でも目覚めやすいのはその為です。
睡眠の波の狭間で刺激があると目を覚ましやすいので、そのタイミングを避けると起こすことなくぐっすり眠ってくれますよ。
2歳頃の睡眠サイクルはおおよそ75分程で、大人はおおよそ90分程なので少し短いです。
ご相談が多い「お昼寝30分以内に起きてしまう」や「やっと寝かしつけして部屋を出ようとしたら起きた」という場合は、深い眠りに入る前に刺激がある為です。
眠りについてから20~30分経った頃に最も深い眠りに入るので、そのタイミングで離れると起こすリスクが一番低いですよ。
またその後はおおよそ75分周期で目覚めやすいタイミングがくるので、最初は測ってみるのもわかりやすいでしょう。
個人差もあるので、寝返りなど動きがあるタイミングを避けて、ぐっすり眠っているタイミングを見定めてみましょう。
また乳児期に比べて乳幼児突然死症候群などのリスクは減りますが、まだまだ悲しい事故の発生事例もあるので、そばを離れる場合はタオル、衣類など危ないものがないか必ず確認し安全な寝室環境を保ってくださいね。
幼児期前半で寝かしつけに時間がかかる要因
・日光を浴びる習慣がない
・朝食を摂らない
・お昼寝のタイミングを間違っている
・寝室の環境が整っていない
・寝る前のNG習慣がある可能性
いくつ当てはまりましたか?
その日の行動によって眠れないこともあるかもしれませんが、日常的に寝かしつけに30分以上かかっている場合は、この5つのうちどれかが要因になっている可能性が考えられます。
次章で1つずつ解説していきましょう。
寝かしつけの環境を整えるポイント
快眠のポイントは朝起きた時から始まる
夜の快眠は起床後の行動で決まると言っても過言ではありません。
「寝かしつけ」から連想するのは夜の行動になりがちですが、就寝時間よりまず朝の行動を意識するだけで夜は自然に眠ることができるようになっていきます。
朝重要なポイントは「体内時計のリセット」です。
人間の体内時計は約25時間と言われており、1日は24時間。
その為何もしないままで過ごすと次第にずれていき昼夜逆転してしまうこともあります。
それを防ぐ為にまず朝起きたら体内時計をリセットすることがポイントです。
体内時計をリセットする2つの方法
①朝日を浴びる
体内時計は目から入る日の光によってリセットし、約15時間ほど過ぎると睡眠ホルモンの影響で眠くなっていきます。
この体内時計は朝しかリセットできない為、起きてから1時間以内に朝日を浴びることが規則正しい生活への近道です。
おすすめの朝日を浴びる方法は、親子で散歩することです。
心が安定し、その日のパフォーマンスが上がったり、成長に必要なビタミンDを生成するのに役立つからです。
もし散歩ができない場合でも、起きたらカーテンを開けて15分程光を浴びるだけでも効果はあります。
日光浴は例え晴れていなくても問題ありません。
②朝食を必ず摂る
体内時計は食事によっても定まっていきます。
夜眠っているときは食事を摂らない為、食事を摂らない時間が長くなると体は「今は夜だ」と認識します。
朝食が重要なのはその為で、空腹の時間が長くなると体内時計が狂ってしまいます。
睡眠が充分でない子供は眠気が強く、食が細くなることもあります。
そして朝食を摂らないと体内時計が乱れてさらに睡眠不足になってしまうことも…
普段朝食を摂らない子供なら、まずは温かい具だくさん味噌汁から始めてみましょう。
内臓が温まり、1日に必要な栄養素を手軽に摂ることができます。
卵や豆腐などタンパク質も入れることで代謝が上がり、成長に必要な栄養源になります。
大人も育児中は子供優先にしがちで、ついつい朝食を抜いてしまったりすることもありますが、少しでも構わないので口にするようにしましょう。
このように朝食は、成長に必要な栄養を摂りながら体内時計を整えることができる、大切な方法です。
お昼寝のタイミングは重要!
2歳を超えると体力が付いてくるため、早いタイミングでお昼寝をしなくなる子もいます。
お昼寝が必要かどうかの見極めは「不機嫌な時間が増えていないか」「夜の寝かしつけに時間がかかりすぎていないか」などがあります。
もし当てはまるのなら、まだお昼寝が必要な場合が多いです。
各家庭での生活スタイルが違うので、必ずしも「この時間に寝かせる」というルールはありません。
機嫌よく起きていられる時間が、その子の活動時間の限界。起床のタイミングからベストな活動時間を過ぎる前にお昼寝を促してあげると、お昼寝もスムーズになります。
お昼寝を促すタイミングは活動時間の限界、少し前に眠たいしぐさをした時。
目をこすったり、手足が温かくなってきたら、ぐずりが少なく眠ることができ、質の良いお昼寝ができます。
それでも外出などでお昼寝させられなかったり、促しても寝てくれない時、ありますよね。
その時は夜の就寝時間を早めてあげることで調整するといいでしょう。
寝室の環境は整っている?
快眠できる環境の3大ポイントは、「清潔」「安全」「快適」です。
親がずっと見守ることができない為、もちろん「安全」を最重視します。
子供は寝相が良くない場合が多いので、タオル、ぬいぐるみなどのおもちゃ、親の寝具など窒息の可能性がないか、ベッドが成長に合っているか、落下の危険性はないかなどを今一度確認しましょう。
次に「清潔」について。
寝具などホコリの立ちやすい寝室は特に最優先で掃除をしましょう。
睡眠中の体は疲労回復、内臓の修復など活動をしています。
そんな中、空気汚染があると呼吸が浅くなり、体を守ることを優先してしまう為、疲労回復や修復などを後回しにしていまいます。
呼吸が浅くなるともちろん眠りも浅くなるので、寝室は特に清潔が大事なのです。
ハウスダストは布団乾燥機をかけて掃除機で吸うことやこまめな換気が重要。
忘れがちなのが壁の掃除。壁を拭き掃除するとたくさんホコリや汚れが取れるので定期的にやってみてくださいね。
そして日々の質の良い眠りに大切なのが「快適」であること。
快適を保つために必要な要素は3つあります。
- ①少し涼しめの室温とほどよい湿度
- ②暗闇
- ③締め付けのない服装
①少し涼しめの室温とほどよい湿度
これは室温「20℃前後」と湿度は「50%前後」が目安です。
エアコンや加湿器などで調整をしましょう。
エアコンを使う場合、設定温度は季節や機種等によって変わります。
例えば、夏は27℃前後の設定、冬なら18℃前後の設定にすると快適な室温になります。
大人より子供の方が暑がりなので、大人が少し肌寒いくらいを目安にするといいでしょう。
②暗闇
真っ暗である程、睡眠ホルモンが分泌されるので質の良い睡眠になります。
もし真っ暗が苦手な場合は間接照明を利用し、横になった状態の目に直接光が入らないようにしましょう。
③締め付けのない服装
体にフィットした衣類は血流を妨げ、リラックスできにくく睡眠が浅くなってしまう原因です。
睡眠の時専用のゆったりとした服を決めることで、「これを着たら寝る」という入眠儀式になり寝つきが良くなることもあります。
子供が着る枚数の目安は大人-1枚です。
子供は体温が高い為、着過ぎは寝つきを悪くする原因になります。
寒い時期はパジャマ+スリーパーをおすすめします。
スリーパーとはベスト状の睡眠専用の防寒着で、様々な素材があります。
布団から出てしまう子供などに特におすすめなので、室温によって素材が変えられるように数種類準備しておくと乳幼児期~小学生頃まで大活躍しますよ。
寝る前のNG習慣とは?
大人でもやりがちな寝る前にやると寝つきが悪くなる行動があります。
それは、テレビやスマホ・PCなどのブルーライトを浴びることです。
夕食後は家事で忙しく、DVDや動画などを見せているご家庭も多いかもしれません。
夜にブルーライトを浴びると、脳が昼間と勘違いしてしまい、覚醒し寝つきが悪くなります。
大人より子供への影響は数倍に及ぶため、寝る最低2~3時間前には控えることを推奨します。
もう一つのNG行動は興奮する遊び。
寝る前は、パパが帰ってきて嬉しくてテンションが上がってしまったりと、実はリスク満載な時間帯。
走り回ったり体を動かす遊びは寝る前は控える方が、眠るまでがスムーズです。
寝る前の時間帯は座ってゆったり遊べる絵本やパズル、積み木などの遊びを用意してあげるのも効果的。リラックススイッチが入りやすいようにしてみましょう。
また早めに寝室に移動して、今日の出来事や明日楽しみなことなどをお話する時間に。
親子の密なコミュニケーションの時間にすると安心して眠りにつくことができます。
寝てくれない時、これ試してみて!
夜なかなか寝てくれない時、やりがちなNG行為が「お昼寝をさせない」「日中より体力を削る」こと。
基本3歳までお昼寝は必要だと言われています。
その子それぞれの体力は決まっていて、それを超えて疲れすぎてしまうと逆に不機嫌な時間が増えたり、夜泣きに繋がったりすることがあります。
もしすぐ寝てくれたとしても眠りが浅くなり、夜中にぐずったりすることも…
どうしても子供が寝てくれない時、試してほしいこと
①室温を少し下げる
…深部体温が下がるタイミングが寝つきやすいので、少し寒めに感じるくらいに調整します。
エアコンやクーラーはもちろん、着ている衣類も多すぎないかチェック!
②一緒に深呼吸する
…「早く寝て!」と思っている時ほど子供は寝ないものです。
子供はよく親の様子を観察しているので、そばにいる親の気持ちは不思議と伝わります。
親がリラックスしてくれば、子供に伝わりリラックスも伝染します。
また深呼吸の習慣がつけば、ぐずりや興奮時にも使えますよ。
③焦らず「明日楽しみなこと」などをお話しながら、眠るのが楽しみになるように促す
④母親の寝かしつけで寝ないなら父親と代わる
⑤一人ねんねの練習にねんねのお供が活躍
…窒息の危険性の少ない寝室でのお友達がいると安心です。
厚みのないぬいぐるみがおすすめで、抱きしめたり一緒に眠ることですぐに安心できるようになります。
寝室は「眠るだけのお部屋」
寝室に大好きなおもちゃがあると、ついつい「まだ遊びたい」「まだ寝たくない」という気持ちが芽生えやすくなります。
成長して自分の部屋を持つようになったら、寝室は寝具と最低限の家具のみにした方が、入室した瞬間に「睡眠スイッチ」が入るようになります。
小学生になった後も勉強スペースは分けた方がオンオフスイッチが切り替えやすく、睡眠も勉強もはかどるのでぜひ覚えておいてくださいね!
兄弟がいる場合など、他の人の音が気になるときは「ホワイトノイズ」がおすすめ。
ホワイトノイズとは砂嵐のような音で、「ザー」という音がお腹の中にいたときに似た音がするので聞くだけで落ち着いてくれる子供も多く、雑音が気になる子供にも効果的です。
スマホのアプリにいれておくと外出先でも使えて便利です。
また眠るとき専用のゆったりした音楽を決めて、その曲を入眠儀式にするのも簡単で便利な方法です。
外出先でも流すことができるのでぐずり対策にも使えます。
オーケストラにこだわる必要はなく、スローテンポであればパパやママが好きな曲で大丈夫。
お歌に興味があるお年頃の場合はボーカルの入っていないインストゥルメンタル曲やオルゴール曲がいいでしょう。
寝かしつけにぴったりの入眠儀式
「寝かしつけ」というと寝る前だけの行為に思いがちですが、毎晩眠る前に行っているルーティーンが快眠への入眠儀式になってくれます。
・入浴
入浴で温まった体の深部体温が下がることが眠気を誘います。冷え切ってしまう前に歯磨きや絵本の読み聞かせなどの眠る習慣を終わらせることで眠りがスムーズになります。
入浴後の入眠儀式は何でも大丈夫。
添い寝しながら「今日あったこと」などお話してみたり、リラックスできる音楽を聞いたりと毎日続けやすいことで構いません。
子供は大人よりとても変化に敏感です。
入眠儀式が整うことで、まだ遊びたいモードだった子供も「入眠儀式をやったから眠るんだ」と心の準備が出来て、自然と睡眠スイッチが入りやすくなりますよ。
2~3歳頃ではまだ抱っこや授乳スタイルが眠りやすい子もまだいるかもしれません。
まず添い寝からスタートして、早めのトントンや眉間の周りを優しく撫でたりしながら寝かしつけしてみましょう。
少しずつ大人の負担にならない入眠儀式に変えていってもいいかもしれませんね。
・マッサージ
腰を手で温めてくるくると撫でたり、手足を優しくマッサージしたりすることもおススメです。
腰は抱っこでトントンする位置。
手の温かさはとても心地よく、腰のマッサージは安心することができます。
手足は服を着た状態でもマッサージしやすく、全身に作用するポイントが集中しているので体の血流が良くなり眠りの質がUPしますよ。
母親や父親に触られることはきっと子供は大好きですし、触れている大人もリラックスできるのでぜひ習慣にしてみてください。
活動モードをオフにしてあげることで快適な寝かしつけを!
乳児期たくさん寝てくれた子もそうでない子も、幼児期前半になると保育園や幼稚園などによって社会と関わる機会が増えたり、自我や意思が強くなるので今まで通りの寝かしつけではうまくいかないことも増えるかもしれません。
寝かしつけにお困りの方はまず、体内リズムと寝室環境の見直しからスタートしてみてください。
寝る前の行動だけ変えるより、根本の1日の生活習慣から変えていくことが「親子でぐっすり」への近道です。
たくさんのポイントをお話していきましたが、全てを変えていくのは親子共に混乱してしまうかもしれません。
今日からできそうなことを1つずつでもいいので取り入れていってくださいね!
今夜は「親子でぐっすり」できますように。