リビング空間には、できるだけたっぷり日差しを取り入れたいものです。しかし、住宅が密集している地域に家を建てる場合、ちょうど1階が日陰になってしまう場合もあります。そこで選択できる手段が、「2階にリビングを設ける方法」です。
今回の記事では、2階にリビングをつくるメリットとデメリット、2階リビングでより快適に暮らせる間取りのポイントなどをまとめてご紹介します。
2階リビングのメリット
日差しを得やすい
リビングが2階に配置されているため日差しを取り入れやすいです。日当たりが良いと、明るい部屋で快適に過ごすことができ、洗濯物も乾きやすくなります。また、寒い季節などでも日差しが奥まで届くので、暖かく快適に過ごせるでしょう。
2階建てなら2階の天井の上は屋根になるので、リビングの天井を勾配天井にして、リビングに広い空間を確保することも可能です。
プライバシーが確保されやすい
リビングが1階にあると、道路を歩く人の目に室内が触れやすくなる可能性があります。その点、リビングを2階に設けることで近隣の視線が気になりにくくなり、プライバシーの確保ができるのです。また、外や隣家などの生活音も聞こえにくくなります。
災害への備えがしやすい
大雨等による河川の氾濫や内水氾濫などで、自宅の周辺がすでに浸水しているなど近くの避難所に避難するのが危険な場合や土砂災害などでは、自宅などの建物内で可能な限り高いところに避難する「垂直避難」をするように呼びかけられる事があります。
リビングやキッチンが2階にある2階リビングの間取りなら、食料品や家電製品の多くは自然と2階に集まるので、浸水の備えがしやすく、浸水の程度にもよりますが、1階にリビングがある住まいよりも被害が少なくて済む可能性が高いと考えることができます。
自宅の場所が浸水想定区域になっているか、どれぐらい浸水する可能性がある場所なのか事前に調べておきましょう。
2階リビングのデメリット
2階への移動がある
2階にリビングを設けた場合、当然ですがリビングへ行くには1階から2階への移動をともないます。通常の場合は階段を上ったり下りたりする必要があるため、買い物の荷物を運んだり、玄関まで出たりすることを大変に感じる機会もあるはずです。毎日の家事の事も考えて、お風呂や脱衣所の配置も同時に検討しましょう。
また、年数が経過して自分や家族が高齢になったあと、毎日の階段の上り下りが懸念になるという問題点もあります。2階にリビングを設けるかどうかは、将来や老後の生活も考慮して慎重に考えましょう。
夏場は暑くなる場合がある
2階のリビングは日差しを取り入れやすいメリットがある反面、日射の影響で真夏は室内が暑くなる可能性があります。
建物の断熱性の確保や窓からの日射をおさえるなどの工夫でできるだけ夏の不快感を低減することが、大切になるでしょう。
家具・家電の大きさが限られることもある
廊下や階段の幅が狭い家の場合、大型家具や大型家電を2階まで運んで設置することはかなり大変です。大きなタンスやソファ、冷蔵庫やテレビなどの搬入が制限されることもあるため、注意が必要です。
2階リビングをより快適にする間取り
ここでは、2階リビングの家を建てる際に採用したい設備や工夫したい間取りのポイントについて、ご紹介します。
テレビドアホン・インターホンを設置する
玄関まで出る機会を少なくする為にインターホンはマストアイテムと言って良いかもしれません。不要な訪問販売や勧誘などの見知らぬ訪問者の為にわざわざ玄関まで見に行かなくても良くなるので、訪問者がわかるモニター付きのテレビドアホンがおすすめです。
バルコニーをつくる
2階にせっかくリビングを設けるのであれば、1階リビングのテラスのようにバルコニーを設置することをおすすめします。バルコニーは、洗濯物を干す場所として活用しているケースが一般的です。
その他、日差しを活かして植物を育てたり、縁側で過ごすようにのんびりくつろいだりすることも楽しいでしょう。特に、2階に洗濯機を設置する場合は、2階のバルコニーに洗濯物を干すことがとても楽になりますね。
1階に収納を確保する
2階リビングの場合、重さのあるものを持って2階まで毎回運ぶのは大変です。時には重いものや大型の荷物が置けるように、リビングは2階であっても収納スペースは1階にたっぷり確保しておくことがおすすめです。
おわりに
今回は、2階にリビングを設けるメリットとデメリット、そしてリビングを2階に設ける際の間取りで工夫したいポイントについてご紹介しました。
2階にリビングがあれば日当たりや開放感の面で有利になりそうですが、階段の上り下りや置ける家具・家電のサイズなど気をつけるべきことも多いもの。メリット・デメリットをしっかり把握し、住みよいリビングづくりを検討してみてください。
オープンエアを楽しむ
大きな空を眺める暮らし。外からの視線を気にしない開放感。
見晴らしや風通しのよい2階リビングは、家事もスムーズにすることで、
心地よさと利便性を高い次元で満たしてくれます。