「災害への備えが大切!」たくさんの場面で耳にし、多くの方が準備しています。しかし!実はその量では足りておらず、実際に生き抜くことができない。そんなことになる可能性があります。
あなたは大丈夫でしょうか?これから備蓄食料を準備する方だけでなく、すでに準備している人も、是非読んでくださいね。
備蓄食料ってどれぐらい準備するの?
お店やインターネットを見ると、備蓄食料はセットで販売されていることが多く「よし!これを買っておけば安心だな!」なんて思っている人は多いのではないでしょうか。そのセットで本当にあなたの家族の食料は足りていますか?
では、どれくらいの量が必要なのか?見ていきましょう。
備蓄が必要な日数は?
一般的には、最低3日から1週間分と言われています。実際に過去の災害でもライフラインの復旧には1週間以上かかるケースもありました。そして、見落としがちなのが、ライフラインだけでなく道路や交通も普段通りに使えなくなるケースがあるということ。つまり、災害支援物資が届かない、物流が停止してしまうことも考えられます。その場合、復旧までの間、自宅の備蓄食料だけで生活していかなくてはいけません。
また、要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児、その他の妊婦や、傷病者、難病患者等、特に配慮を要する者)が家庭にいる場合には2週間分の備蓄の準備が必要と言われています。どうしても、災害支援物資は多くの方に必要なものが準備されている為、要配慮者に合わせた物の準備は少なくなります。手に入らない可能性もあるので、自分で準備しておくことが大切です。
必要になる食品備蓄量は?
では実際に、どれぐらいの準備が必要になるのか?
農林水産省「家庭備蓄のすすめ」では以下の様に、リストアップして紹介されています。栄養バランスも考えてストックすると良いですね。
家庭備蓄の例(大人2人・1週間分)
必需品
水 2リットル×6本×4箱 | 1人1日およそ3リットル程度(飲料水+調理水) |
主食(エネルギー・炭水化物)
米 2Kg×2袋 | 1人1食75g程度 |
カップ麺 6個 | |
乾麺(うどん、そば、そうめん、パスタ) | |
そうめん2袋、パスタ2袋 | パックご飯 6個 |
主菜(たんぱく質)
レトルト食品 | 牛丼の素やカレー等18個・パスタソース |
缶詰(肉・魚) | お好みのもの18缶 |
副菜・その他
日持ちする野菜類 | 玉ねぎ、じゃがいも等 |
梅干し、のり、乾燥わかめ等 | |
野菜ジュース、果汁ジュース等 | |
調味料 | 砂糖、塩、醤油、麺つゆ等 |
インスタント味噌汁や即席スープ | |
お菓子 | チョコレートやビスケット |
要配慮者のために合わせて準備したいもの
乳幼児
粉ミルク | レトルトなどの離乳食 |
哺乳ビン | 好物の食品、飲み物 |
紙コップ、使い捨てスプーン | 多めの飲料水 |
高齢者
レトルト食品やアルファ米のおかゆ | 栄養補助食品 |
食べ慣れた乾物 | 好物の食品や飲み物 |
食物アレルギーの方
原因食物が含まれていない食品 |
過去、筆者も地震の後に、子どもを預けて急いで近くのスーパーマーケットにいきましたが水や食料が全て売りきれになっていました。災害が起こってからでは、間に合いません。事前にストックしておきましょう。
乳児用液体ミルクについて
調乳をしなくてもそのまま飲ませる事ができる液体ミルクは2016年の熊本地震での海外からの支援物資を契機に注目されました。日本では当時、液体ミルクに関する規格がなかったので、製造・販売がされていませんでした。そのためか、馴染みのない液体ミルクに対し被災地で「危険、飲むな」の張り紙が貼られるという残念な出来事がありました。
しかし、乳児用液体ミルクへの要望が高まったことにより、安全基準や表示許可基準が整備されて2019年から国内でも販売が開始されました。
液体ミルクのメリット
- 調乳の手間がなく、水や燃料を使わずにそのまま授乳できる
- 開封前なら、滅菌済みで衛生的(開封後の飲み残しは与えないで下さい!!)
- 常温での保存が可能(賞味期限は製品により異なります)
液体ミルクのデメリット
- 値段が粉ミルクよりも高く、輸送や貯蔵には重くてかさばる
- 常温のため、生温かい母乳や調乳した粉ミルクよりも温度が低くなり、赤ちゃんには飲みにくくなる可能性がある(湯煎などでの温めは可能)
常温での長期保存が可能で、災害時にも役に立つ液体ミルクがより一般的になって、どこでも入手できるようになれば、赤ちゃんとのお出かけも、もっと楽になるかもしれませんね。
食料を備蓄する際に気をつけておきたいポイント!
必要な食品や量がわかったところで次は、備蓄する際に気をつけておきたいポイントを3つ紹介します。
保管場所について
実際に使う場面を想像してみてください。災害に遭った時に、「すぐに持ち出せるところ」「安全な場所」に保管しましょう。災害によって家が歪んだり、何らかの理由で保存場所に辿り着けないという可能性があるため、1箇所ではなく2箇所に分けて保管しておくと安心です。
また、食品にも保存場所の記載があります。「防災食だから大丈夫!」ではなく、しっかりと確認して安心して食べられる場所に保管しましょう。
賞味期限のチェック
防災食も長期保存が出来るとはいっても、永遠に食べられるわけではなく、食べ物には必ず賞味期限があります。災害の時には期限が切れていて食べられない!ということにならないように、定期的にチェックしておきましょう。
そこで大切なのは3つ目のポイント「ローリングストック」です。
ローリングストックとは
ローリングストックとは、「普段の食品を少し多めに買い置きをし、賞味期限を考えて古いものから消費して、また買い足していく。」と、いうように、日常的に非常食を食べて、食べたら買い足すという行為を繰り返し、常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法。(内閣府HPより)
このローリングストックは備蓄食料準備の際の課題でもある
- 何を準備していいかわからない。
- 防災食はお金がかかる。
- ついつい賞味期限が切れてしまっている。
- 食べ慣れておらず子どもが食べてくれない。
等、の悩みを解決してくれます。普段の買い物に+αするだけで、簡単に備蓄をしていくことができるのでおすすめです!
ローリングストックについて詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
乳幼児の家庭は特に意識してほしいこと
災害時は、いつもと環境が大きく変わる為、子どもは気持ちが不安定になり、食欲が落ちることがあります。その際、初めての食べ物には拒否反応を示し、食べてくれない可能性もあります。
- 子どもの食べ慣れたものを備蓄しておくこと
- ローリングストックで食品を食べ慣れておくこと
が大切になります。そして、母乳で子育てしている家庭は、環境の変化やストレス等で、母乳がでなくなる可能性もあるので忘れずにミルクの準備をしましょう。
乳幼児の家庭では、特に家庭での備えが重要になります。子どもの為にも、災害時に生きていけるように準備しておきましょう。
備蓄食料以外にもこれ!忘れずに
もちろん食料品も大切ですが、生活することも視野に入れなければなりません。最後に食料と一緒に準備しておきたいものを紹介します。
忘れずに準備したいもの
カセットコンロ・ボンベ | 食品を温めたり、簡単な調理には必要です。食欲がでない時にも温かい食べ物を食べると心が落ち着きます。 |
アルミホイル・ラップ | 実は、災害時の万能グッズ。お皿の上にひくだけでなく、寒さ対策や、骨折等の応急処置等にも使えます。 |
懐中電灯 | 手持ちだけでなく、ヘッドライトのタイプも有ります。お子様と両手をつなぐ場合や、実際に避難する事を考え準備をしましょう。 |
電池 | 電池切れで使えない!とならない様に、しっかりと準備しよう。 |
モバイルバッテリー | ラジオと一体型の物も多く発売されています。電池タイプだけでなく手回し式や、太陽光で充電可能な物も。 |
災害時、手元には、自分で準備したものしかありません。ライフラインが止まって、復旧するまで生活ができるように、ぜひこちらの記事も参考に。
命を守れるのはあなたです!
災害で命が助かったとしても、「食べるものがない」「生活することができない」等の理由で命を落とすことがない様に。あなた自身、そして家族の命を守るためにも、災害が起こった時、ライフラインが復旧するまでの間、生活できるように、事前に備えが大切です。
是非この記事を参考に、防災準備を見直してみてくださいね。