料理をしていると使うことの多い片栗粉。
思っていたより、片栗粉を使う量が多くて足りなくなってしまった…。買い忘れてしまって、切らして作りたい料理が作れない…ということもありますよね。
そんな時に知っておくと役立つ、おすすめの代用品を用途別に解説します。
片栗粉の原材料は何?
片栗粉の原料は「カタクリ」というユリ科の植物の根から取れる、でんぷんを指しています。
しかし、自生するカタクリが減少したことや明治時代になると北海道の開拓によりジャガイモが大量に栽培されるようになったため、現在流通している片栗粉はほとんどが「じゃがいも」から取れたでんぷんが一般的になっています。
カタクリのでんぷんと同じような性質であることと、カタクリのでんぷんよりも安価であることから名称だけが残り、原料はじゃがいもから作られるようになったようです。
片栗粉の主な3つの用途とは?
とろみをつける
麻婆豆腐や中華丼などの中華料理では、あんかけやスープなどの料理の仕上げに水溶き片栗粉を入れて、料理のとろみづけによく使われます。片栗粉の特徴として、粘度が高いことから調味料が食材に絡みやすく、料理が冷めにくいということがあります。
揚げ物などの衣
竜田揚げや唐揚げなどの揚げ物料理でも片栗粉は使われます。食材の表面に衣としてつけてから、揚げる、蒸す、焼くなどの調理をすると、調理ごとの食感を出すことができます。
つなぎとして使う
つみれや肉団子などを作る時に、片栗粉をつなぎとして入れることでまとまりやすくなります。
ふっくらとした仕上がりにも役立ちます。
他にも、和菓子やモチモチ食感のスイーツを作るなど、主役としてではないですが、幅広く活躍しているアイテムです。
どの用途に使う時でも、料理には大切で欠かせない役割を担ってくれています。
とろみづけをしたい時の代用品は?
コーンスターチや葛粉(くずこ)がおすすめ
片栗粉と同じように透明感のある見た目に仕上げたい時は、片栗粉の代わりには「葛粉」がおすすめ。
冷めると固まりやすくなります。とろみの加減は増量することで、調整できます。
少し白濁しても良い時には、「コーンスターチ」や「米粉」がおすすめです。
なかでもコーンスターチはデンプンを含むため、片栗粉より粘度は弱くなりますが、しっかりとしたとろみがつきます。
冷めても粘度が落ちないので、スープや汁物のとろみ付けに最適です。
使用方法も片栗粉と似ていて、水に溶いて加熱すればよいので、簡単に代用できます。
葛粉は片栗粉より少し価格が高めですが、コーンスターチは価格も含めて入手しやすいようです。
小麦粉を常備しているという家庭も多いかと思います。
小麦粉にもデンプンが含まれているので、代用品として手軽にとろみ付けをすることができます。
しかし、片栗粉と比べて小麦粉の粘度は1/10程度です。
とろみを強くつけたい、あんかけ料理には向いていません。
シチューやカレーなど、ややサラっとしたとろみをつけたい時には小麦粉で代用すると良いと思います。
おからパウダーでも小麦粉同様の効果が得られるようで、水分を吸収しやすい性質でうまみを上手に受け止めて逃さないというメリットもあります。
糖質制限中でも、とろみ付けした料理が食べたい方にはサイリウムがおすすめです。聞きなれない名前でですが、正体はほぼ食物繊維です。
水を含んでゼラチン状になる特徴を活かしてとろみをつけることができます。
味も香りも付いていないので、使いやすい点が嬉しいですね。
おからパウダー・サイリウムともに使い方は水で溶かずに、料理に少しずつ振りかけて使用します。
低糖質・低カロリーで片栗粉の代用品をお探しの方は「おからパウダー」「サイリウム」がおすすめです。
揚げ物などの衣付けでの代用品
小麦粉や米粉がおすすめ
揚げ物などの衣付けをしたい時には片栗粉と原料の異なる粉ものをまぶして使うことができます。
小麦粉・米粉・葛粉・コーンスターチ・おからパウダーなどが代用できます。
- 小麦粉 …表面はカリッと、中はジューシーで冷めても持続しやすい
- 米粉 …油を吸いにくいので軽くてクリスピーな食感
- 葛粉 …カリッとした食感がある
- コーンスターチ …サクッとした軽い食感が持続しやすい
- おからパウダー …サクサクの食感でヘルシー
それぞれ食感が異なりますので、お好みのものを選んで使うもよし、混ぜて使うなど、自分なりにアレンジして楽しみながら料理をしてみてください。
つなぎに使いたい時の代用品
小麦粉がおすすめ
肉団子やつくね、つみれを作る時に片栗粉の代用品としておすすめなのは、小麦粉(薄力粉)です。
まとまりやすさは、片栗粉とあまり差を感じずに使うことができます。
混ぜすぎるとグルテンというタンパク質の粘りで少し固い食感になるので、注意が必要です。小麦粉には「薄力粉」「中力粉」「強力粉」など、いろいろな種類の小麦粉がありますが、中力粉、強力粉とグルテンが増えると、粘性や弾力が強くなり、より固くなるので種類にも注意が必要です。
米粉と葛粉は、少しまとまりにくさがありますが焼き上がりは崩れず、口当たりはさっぱりと使えます。
他にもパン粉・おから・お麩・山芋・おくらなどのねばねば食材をつなぎとして使うことも可能です。
- おから:入れすぎると固くなるため量に注意
- お麩:細かくしてから入れるのがポイント、ジューシーな仕上がり
- 山芋:ふっくらとした食感に
また卵は、とろみ・つなぎ・衣の用途で万能に使うことができます。
スープに溶かすと軽いとろみ付けに、揚げ物にはパン粉やコーンフレークなどを付けるとサクサクに仕上がります。
片栗粉をじゃがいもから作る!
手間と時間はかかりますが、片栗粉の原料であるじゃがいもから、片栗粉を作る方法もご紹介します。
- じゃがいもをすりおろしてさらしに入れる
- ボウルに水を半分入れて①のじゃがいもを10分くらい揉む
- 15分ほど放置し水だけをそっと流す
- ②と③の工程を繰り返す
- 残ったでんぷんを乾燥させる
つなぎとしてであれば、じゃがいもをすりおろして1/5の重量になるまで絞ると使うことができます。
まとめ|身近な食材で代用できる!
今回の記事では、片栗粉がない時に代用として使える食材の情報をご紹介しました。
片栗粉がなくても、実は身近な食材で代用することができるので焦ることなく、それぞれの特徴を活かして、楽しく代用品で料理を楽しんでみてください。