一戸建て住宅を建てる際に、木造にするべきか鉄骨造にするべきか悩む方も多いのではないでしょうか。日本では木造建築の歴史的建造物が残っており、古くからも、そして今なお人気があります。そこで本記事では、木造住宅にスポットを当て、鉄骨造住宅と比較しつつ、木造住宅の特徴とメリット、デメリットについてご紹介します。
木造住宅とは?特徴について解説
木造住宅は、屋根、床や壁などを支える柱や梁(はり)など建物にとって重要な構造部分が木材で構成されている住宅であり、鉄骨造住宅に比べ、設計の自由度が高いのが特徴です。日本では古くから木造一戸建てが多くの人に選ばれ、総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査 結果の概要」によると、今なお一戸建ての9割以上が木造(防火木造を含む)と、根強い人気があることがわかります。
また、早稲田大学 小松教授の「建物の平均寿命実態調査」によると、木造住宅の平均寿命は1997年の調査では43.53年でしたが、2011年の調査では65.03年と、平均寿命がのびていることがわかりました。
これは建物の性能向上などが考えられ、定期的点検やメンテナンスをしっかり行えば、ひと昔前よりも長く快適に住むことができ、今後も大きな変化がない限り、木造住宅の戸建ては人気でしょう。
木造住宅にするメリット
古くから親しまれてきた木造住宅ですが、実際どのようなメリットがあるのでしょうか。鉄骨造住宅と比較しながらメリットを確認していきましょう。
鉄骨造住宅よりコストがかからない
木造住宅は鉄骨造住宅よりも建築費用が安くなる傾向にあります。この傾向は国税庁の「建物の標準的な建築価格表」(※1)にも見受けられます。
鉄骨は木造住宅と比較して材料費が高く、工期も長くなるため、手間や工賃がかかり建築コストが高くなる傾向があります。
また、鉄骨は木材に比べて重いので、立地や地盤によっては改良工事が必要になり、建て替えに伴う解体費用も割高です。
長いサイクルで住宅のコストを抑えたいなら、鉄骨造住宅より木造住宅が有利と言えるでしょう。
※1 「建築着工統計(国土交通省)」の「構造別:建築物の数、床面積の合計、工事費予定額」表を基に、1m2当たりの工事費予定額を算出(工事費予定額 ÷ 床面積の合計)したもの
暑さや寒さ対策ができる
木材は断熱性が高く、木、コンクリート、鉄の3つの熱伝導率を比べると、木はコンクリートの約12倍、鉄の約483倍、断熱性に優れていると言われています。 住宅の断熱性は構造だけで決まるわけではありませんが、構造のみで見た場合、断熱性が高いといえます。
住宅において断熱性が高いと言うことは、室内の涼しさや暖かさが一定に保たれるため、夏の暑さ対策、冬の寒さ対策に役立ちます。
また、室温が一定に保ちやすいので冷暖房費が抑えられ、節約にもつながります。
さらに、木造住宅は鉄骨造住宅に比べ、気密性が低いと思われていますが、それはひと昔前の日本家屋との比較と考えられます。建材メーカーの努力によって、ドアやサッシ周りの気密・断熱性能は向上しているので、木造住宅でも一年中快適に過ごせます。
落ち着きのある空間で快適に過ごせる
木は手足が触れたときのぬくもりや、心地よい柔らかさなど、ほかの素材にはない魅力をもっています。日本人は古くから木を生活に取り入れているため、木造住宅に親しみを感じる方は多いでしょう。
構造だけではなく、柱や床など目に見える場所に木材を採用することで、自然を身近に感じ、温かみのある家づくりが実現できます。
調湿効果で乾燥を防げる
木材には、多湿時に湿気を吸収し、乾燥時には湿気を放出する調湿効果があります。この調湿効果は金属にはないため、鉄骨造住宅では家電や住宅の換気性能に頼らなければなりません。
また、室内の湿度が高くなると結露が発生し、カビやダニが増殖しやすくなります。しかし、木造住宅であれば、鉄骨造住宅よりも湿度を調節してくれるため、カビやダニの発生を防ぐ効果が期待できます。
木造住宅のデメリット
メリットが多い木造住宅にも少なからずデメリットはあります。詳しく見ていきましょう。
鉄骨造住宅に比べて耐用年数が短い
木造住宅は法律で定められている耐震性を担保するために、鉄骨造住宅よりも柱や壁が多く必要です。そのことは建物の構造体の材料別に割り出された「法定耐用年数」からでもわかり、軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下)の法定耐用年数が27年に対し、木造住宅の法定耐用年数は22年と短いです。
法定耐用年数は、資産価値を算出する際の税務上の基準であり、実際の家の寿命や丈夫さと関係はありません。しかし、木造住宅は天然の素材が多く使われていることが多いため、場合によっては耐久性が劣ることもなきにしもあらずです。もちろん定期点検や早めのメンテナンスを行い、丁寧に住めば長く住むことも可能です。
また、災害対策の面でも同様「木造住宅だから火災に弱い、鉄骨住宅だから地震に強い」という訳ではありません。木造、鉄骨造に関わらず、耐火性・耐震性の基準が明確に定められているので、どちらの基準もしっかりとクリアすることが重要です。
害虫による被害が発生する可能性がある
木造ならではのデメリットとして害虫による被害が挙げられます。特にシロアリは、木材に巣をつくり、柱や梁、フローリングや家具などなんでも食べるため、住宅を維持するには対策を講じる必要があります。
シロアリの場合であれば、風通しが悪く、湿気の多い場所を好むため、家の近くに川や池が多い、庭木が常に外壁に接している、一年中日が当たらない部屋がある、などの条件に当てはまるようであれば注意が必要です。
新築時は建築会社が薬剤処理などを行って、シロアリ対策をしてくれていることも多いですが、その後は施主が対策をしなければなりません。シロアリによる被害が気になる場合には、定期的に害虫による被害がないか、家じゅうをチェックするようにしましょう。
品質や強度にばらつきが出てしまう
鉄骨造住宅で使う材料や部品は、ほとんどが工場で生産されます。そのため、品質や強度も一定に保たれています。しかし、木造住宅では天然の木材を利用するため、素材によっては品質や強度に差があります。
また、工場で生産された材料や部品は組み立てやすいように工夫されていることが多く、ハウスメーカーや職人の技術による差が生まれにくいです。
それに対し、木造住宅は職人の技量次第で、仕上がりに大きな違いが出ることがあるといわれています。木造住宅の建築では、従来は大工が現場で継手や仕口を加工していましたが、昭和60年代にはコンピューター制御によるプレカットが開発され、木造軸組工法でも2014年にはプレカット率が9割に達していますので、このデメリットは補われてきているといえます。 しかし従来の工法で施工する場合には、腕のよい職人がいる必要があります。
おわりに
木造住宅と鉄骨造住宅を比較すると、どちらにもメリット・デメリットがあります。コストや設計の自由度、ぬくもりのあるデザインを優先するなら木造住宅がおすすめです。ハウスメーカーにより独自の工法やプランがあるので、十分検討した上で理想のマイホームに着手してみましょう。
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