構造・材料の不安
建築材料の中でも特に建材に不安を抱く方が多く見受けられます。
木造住宅構造の要である建材ですから、お客様としてはなおさら関心が高くなるはずです。
「悪質な建材を使用していないか? 柱の数が少なくないか?」などの質問もよく耳にしています。 そのような疑問について
アイフルホームでは構造体の要となる「土台・隅柱・梁・桁」の各区にJAS規格の『構造用集成材』を基本仕様として採用しています(商品・部位により乾燥材・LVLを採用)。
「集成材」という言葉はよく耳にする言葉だと思いますが、集成材にも「造作用集成材」「化粧ばり造作用集成材」「化粧ばり構造用集成材」「構造用集成材」と様々な種類があり、アイフルホームが採用している「構造用集成材」は、通常、柱・梁・桁等の構造物の耐力部材として使用され、住宅はもちろん、体育館・展示場・橋梁などにも利用されています。これらの利用頻度からもわかるように『強度性能』『耐火性能』『耐久性能』が求められる建物には欠かせない部材となってきています。
- ひき板の構成により図の通り異等級構成構造用集成材 (対称構成、非対称構成)、同一等級構成構造用集成材に区分されます。
- 断面の大きさにより大断面・中断面・小断面に区分されます。
- 集成材を使用する環境条件に応じ使用環境1(外部で使用する部材)及び使用環境2(内部で使用する部材)に区分されます。
- 集成材の強度等級区分に応じ「ヤング係数(E)、材料強度(F)」で表示されます。
図:ひき板の構成構造用集成材
※L160とは、ひき板の曲げヤング係数が160(10^3kgf/cm^2)に適合したものであることを示しています。
●使用環境1
集成材の含水率が長期間継続的にまたは断続的に19%を超える環境、直接外気にさらされる環境、太陽熱等により長期間断続的に高温になる環境、構造物の火災時でも高度の接着性能を要求される環境その他の構造物の耐力部材として、接着剤の耐水性、耐候性または耐熱性について高度な性能が要求される使用環境をいいます。
●使用環境2
構造物の耐力部材として、接着剤の耐水性、耐候性または耐熱性について通常の性能が要求される使用環境をいいます。
- 含水率を15%以下に乾燥し、狂い、収縮を減少。
生きものである木は50〜200%の水分を含んでいるため、乾燥が不十分だと強度低下・反り・割れを生じてしまいます。そのため集成材用の木材は天然乾燥に加え、さらに乾燥装置によって木の細胞膜中の水分まで放出させ、含水率を15%以下にまで落として反り・割れを防ぎ、強度アップを図っています。
- 天然木に対し1.5倍以上の強度性能を実現。
天然木には大節、割れなどの欠点があります。集成材はそれらの欠点を除いた上、積層することにより品質を均一化し、強度性能を高めました。特に建築基準法が性能規定化されるに伴い、強度性能が表示でき、かつ保証される構造用集成材は信頼性の高い部材です。
- 鉄、コンクリートより強く建物の軽量化が可能。
木材の力学的性質のうち、単位重量当たりの強度を比較するとスギと鉄とでは約4倍、コンクリートでは約5倍の差があります。そのため建物重量は大幅に軽量化が可能で、基礎はより小さくなり、施工も容易になって建物のコストダウンに結びつきます。
- 断面の大きい集成材は、防火性能が高い。
木材は燃えますが、断面が大きくなると表面は焦げて炭火層ができ、酸素の供給が断たれ、燃え難くなり、1000 以上になっても必要強度は保たれます。建築基準法例でも集成材の防火性能は認められております。
- 断熱性に優れ、調湿能力は抜群。
木材は建築材料として日本の気候風土に最も適しているといえます。断熱性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かく、湿度の高い梅雨は水分を吸収してくれるなど理想的な住まいを提供してくれます。熱伝導率は鉄の200分の1、コンクリートの4分の1の低さであり、調湿能力は3mの10cm角の柱1本で一升ビンの水分を出し入れできると言われており、結露も防ぎます。
- 耳や目にやわらかな素材。
木材は人間の可聴範囲の中で不快感を伴う高音部と低音部を吸収する働きがあり、程よい音響空間をつくります。また木材の有するやわらかさは心を落ち着かせてくれます。
日本人は特に美的感覚に優れており、銘木の有する美に憧れをもっています。化粧ばり集成材はその欲求を満足させる部材です。
- 半永久的な耐久性を実現。
木材の耐久性は、管理条件を整えれば古代建築で実証されているとおり半永久的です。木材は塩分、薬品に強く、海岸に近い建物や薬品を使用する工場等に適しております。また、集成材に使用される接着剤も進歩し、集成材の原形である東大寺の柱以上に耐久性を持続することが可能といわれております。
- 自由な形状、寸法の部材が可能。
集成材は幅、厚み、長さ、方向に自由に接着・調整することができるため、長大材や湾曲材を製造することができます。また、強度に合わせて原材料を選別することも可能なので、自由なデザイン、構造計算に基づく必要とする強度の部材も供給することができます。
- ホルムアルデヒドの放出量は、ごくわずか。
集成材に使用する接着剤はホルムアルデヒドを含まないか、もしくは含んでいてもごくわずかなもので、その放出量も居住空間に面する製品については、Fc0、E0の低ホルムアルデヒド建材を使用しています。